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【兵庫県尼崎市様】重層的支援に必要な多機関連携の推進を「いんくるコネクト」で実現

【兵庫県尼崎市様】重層的支援に必要な多機関連携の推進を「いんくるコネクト」で実現

お話をうかがったお客様

お話をうかがったお客様

左から:尼崎市福祉局福祉部重層的支援推進担当課 係長 安井 菜穂様、尼崎市福祉局福祉部重層的支援推進担当課 主事 矢野 貴嗣

尼崎市は兵庫県の東端に位置し、大阪府とも隣接する人口約45万7,000人の都市です。大正5(1916)年に兵庫県で神戸市、姫路市に次いで市政を施行、昭和期以降、南部に工業地域、中央部に商業地域、北部に住宅地が広がる形で発展を続け、平成21(2009)年には中核市に移行しました。
尼崎市は、「互いに尊重し つながりささえあい 安全・安心に“ともにいきる”まち あまがさき」をモットーに、地域福祉の充実に力を入れています。令和2(2020)年6月成立の改正社会福祉法に盛り込まれた「重層的支援体制整備事業」を推進、複雑・複合化した課題を受けとめ、支援関係者による円滑な支援体制を構築するために、様々な取組を進めています。
尼崎市は令和7(2025)年度から「重層的支援システム」として「いんくるコネクト」を導入、重層的支援に必要な組織内の連携を図りました。「いんくるコネクト」を介して市役所の各部署や市社会福祉協議会等を通じて重層的支援推進担当課に寄せられた相談に関する情報を、セキュリティを担保した形で共有し、相談支援に関わる職員の業務効率化と業務負担の軽減を図りながら、困りごとを抱えた方に寄り添い、つながり続ける包括的な相談支援を進めています。
そこで、今回「いんくるコネクト」導入の経緯と、導入後の効果について福祉局福祉部重層的支援推進担当課の安井菜穂係長と矢野貴嗣主事にお話をうかがいました。

【尼崎市基本DATA】

【尼崎市基本DATA】

1. 人口:45万7,072人(令和7年3月31日現在)
2. 世帯数:24万 5,469 世帯(令和7年3月31日現在)
3. 高齢化率:27.2%(令和7年3月31日現在)
4. 保護率:3.64%(令和6年度被保護者調査)

【課題】重層的支援に必要な相談支援に関わる情報の管理・共有に高い壁

尼崎市は令和4(2022)年4月に「重層的支援体制推進担当課」を設置し、同課が協働調整を行って庁内外組織との連携を推進し、市役所の各部署や市社会福祉協議会等を通じて重層的支援体制推進担当課に寄せられた相談に対して、支援を必要とする人に伴走し、継続的な支援を講じる仕組みを構築しました。ただ、伴走的な支援体制を構築する過程で、困りごとを抱えた方のプライバシーに関わる情報を扱う必要があり、また多機関が関わることから、記録の管理や情報共有が難しいという課題に直面していました。

Q.重層的支援の推進に向け、庁内でどのような組織体制を構築されていたのでしょうか。

安井様:尼崎市は 6 行政区に分かれており、各地区に地域振興センターを設けて市民の「困りごと」の相談に応じているほか、北部・南部の保健福祉センターにも相談窓口を置いています。相談の内容が複雑・複合化しており、地域振興センターや保健福祉センター内だけでは対応が難しい場合、重層的支援体制推進担当課に相談が入り、各機関がどのような関わり・支援を行うかについて協議します。
一方、重層的支援推進担当課が事務局となり、福祉関連部局だけでなく、幅広い部局の代表者で構成する「尼崎市重層的支援推進会議」を設置して、各分野の情報共有・連携等の検討、複雑・複合化した課題を抱えながらも支援につながっていない人を早期把握・早期支援につなげるための取組についての協議を行っています。

 

Q.幅広い部署で情報を共有する上で、どんな課題があったかを教えてください。

安井様:ひとつの部署、または複数の部署では対応が難しい相談があった場合、相談の内容を「うけとめ・つなげるシート」に記入して、重層的支援体制推進担当課に提出してもらうことにしていました。「うけとめ・つなげるシート」は Excel ファイルで、市役所の様々な部署、それから市社会福祉協議会にも作成をお願いしていました。ただ、「うけとめ・つなげるシート」の記載内容には支援対象者の個人情報が含まれていますので、取り扱いには細心の注意が必要です。そのため、原則、ShareRay(LGWAN-ASP を利用したファイル共有サービス)を利用して「うけとめ・つなげるシート」を共有していました。その手間だけでなく、情報を共有するための事前調整なども必要で、そうした作業に時間を要することが大きな課題でした。

【導入】業務効率化と操作性が決め手に

Q.「いんくるコネクト」をどのような経緯で導入されたのでしょうか。

安井様:情報共有に関わる負担を軽減できるシステムの導入を目指し、令和6(2024)年度にプロポーザル方式で事業者を公募しました。業務の効率化が期待できることと操作性の良さなどが決め手となって「いんくるコネクト」の導入が決まり、同年度いっぱいでシステムを構築し、令和7(2025)年4月から一斉に、導入した部署での運用を始めました。システムに入力する情報は、「うけとめ・つなげるシート」や、その他の相談支援記録等になります。現在は庁内の各部署で操作に慣れてもらいながら、必要な部分についてはシステムの改修も行っています。

【成果】EUC 機能でデータ分析が容易に

Q.導入後の効果をうに感じていますか

安井様:重層的支援推進担当課は複雑・複合化した課題を扱いますので、市役所の中でも関わる部署が多く、アナログな方法ですと、どうしても伝え漏れや聞き漏れが起きる可能性があります。「いんくるコネクト」は、どの情報を誰に対して開示するかを設定することができます。誰にどこまでの情報を渡したかが確かな上に、回覧機能を使うことで、送った情報を相手が見ているのかどうかも確認できるようになり、連携の滞りが軽減されるとともに情報共有にかかる時間が短縮され、業務効率化が進んだと実感しています。

Q.導入前には想定していなかった効果はありますか。

矢野様:EUC(End User Computing)機能ですね。システムに蓄積された情報を一定の条件で抽出し、データとして分析ができるのは、たいへん便利だと感じています。例えば、どんな相談が、どの地区で多いのか、相談者の属性といった集計を簡単にまとめることができます。以前は手作業だったことが自動化されただけではなく、実績値を積み上げることで様々なデータ(値)に基づいた分析が容易となり、「尼崎市重層的支援推進会議」などで支援策等について検討する際の基礎データとして役に立っています。

安井様:システム導入前は、要配慮者情報が記載された支援対象者に係るケースファイルも含め、基本的に紙の書類で管理していました。セキュリティを確保するためには、業務が終わったら書類をキャビネットに入れてカギをかけるという物理的な対策が必要でしたが、システム導入後は端末をシャットダウンすれば情報が外に出ることはありません。紙の書類を保管しておくスペースが必要なくなった効果も大きいと感じています。

Q.今後、「いんくるコネクト」をどのように活用していきたいですか。

安井様:市役所の中で市民からの相談を受け付ける部署には、相談・支援の内容を記録する独自のシステムを持っているところもあります。そうした別システムの相談・支援記録を「いんくるコネクト」とデータ連携させ、業務効率をさらに向上させることができないか、調整を進めています。

【お問い合せ先】
今回、ご紹介しましたアイネスの「いんくるコネクト」について、より詳しい内容をお知りになりたい方は、下記からお問い合わせください。

※ 本文に掲載されている会社名・団体名および製品名は各社または団体等の商標または登録商標です。
 

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