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【群馬県太田市様】児童手当の申請業務にかかる時間を45%削減! バックオフィス業務の効率化に「手続きBaton」を活用

【群馬県太田市様】児童手当の申請業務にかかる時間を45%削減! バックオフィス業務の効率化に「手続きBaton」を活用

お話をうかがったお客様

お話をうかがったお客様


左から情報管理課DX推進係 主任 鈴木 怜様、こども課 主事 阿部 直幸様(現在は収納課主事)

群馬県の南部に位置し、北関東随一の工業都市として知られる太田市。
株式会社SUBARUの企業城下町でもあり、工場に職を求めて多くの外国人労働者が集まります。約22万人の人口のうち、6%強に当たる1万4,000人弱が外国人で、群馬県内では伊勢崎市に次ぐ人数となっています。

同市では毎年、庁内で実践した業務改善を職員から募集し、表彰する「改善活動実践例」を実施するなど、改善を促す土壌を涵養してきました。
DXについても、令和4(2022)年度に「DX推進係」を新設し、変革を進めているところです。

令和5(2023)年2月から9月には、福祉こども部こども課で児童手当の申請受付から業務システムへの登録に、アイネスの「手続きBaton(バトン)」を活用した実証事業を実施しました。

今回はこの実証事業について、お話を伺いました。

【太田市基本DATA】(令和6年2月末現在)

【太田市基本DATA(令和6年2月末現在)】

人口:22万2,550人
世帯数:10万1,452世帯

【課題】窓口業務はオンライン化したが、バックオフィスの業務効率化に改善の余地を感じていた

太田市のWebサイト

太田市のWebサイトより引用

鈴木様:国のデジタル田園都市国家構想交付金(以下、デジ田交付金)の活用で、地方公共団体において総じて住民窓口の改革が進んでいます。太田市でも、「書かない窓口」の導入や電子申請の促進などを通して、行政手続きのオンライン化を進めました。

行政手続きをオンライン化したことで窓口業務の負担は減りましたが、紙による申請処理も平行で行われるため、バックオフィスの事務処理の複雑化が課題となっていました。

阿部様:職員の残業削減のためには、オンライン申請のほかにもいくつかの施策を実施することで一定の改善が見られました。ただ、申請業務は日常的に発生するもので、大きなボリュームがあります。ここにまだ改善の余地があると感じていました。

何か効率化できるサービスはないものかと考えているところにちょうど、アイネスさんから営業担当者の訪問があったのです。話を聞く中で「手続きBaton」なら解決できそうだと感じました。単にオンライン申請と紙申請を統合するだけでなく、宛名番号を付与できる点が魅力でした。

鈴木様:当時、アイネスさんの方でも「手続きBaton」を製品としてブラッシュアップするため「一緒に作っていきませんか?」と誘っていただきました。これがきっかけとなり、「手続きBaton」の有用性を検証する実証事業をスタートすることとなりました。

【サービス紹介】自治体向けの「行政手続きのデジタル化」サービス「手続きBaton」の導入効果とは?自治体の課題や活用事例も併せて解説

【導入】実証利用で太田市とアイネスで改良を重ね、BPRも含めてフォロー

オンラインと紙双方の申請があった際、まずはじめに宛名番号と紐づける必要があります。紙の申請では、市民が記載した申請書には多くの場合、表記揺れなどがあり、そのままAI-OCRでテキスト化しても、そのデータから正しく申請者を特定できなかったため、職員が申請書類を見ながら手入力した情報をもとに、検索で宛名番号を探していました。
上記の改善検討から約1年、2023年9月に実証利用をスタートし、2024年1月までの約5カ月間、効果を確かめていただきました。

鈴木様:実証事業では、さまざまな申請を受け付ける中で、児童手当の申請受付から業務システムの登録を対象とすることにしました。

これには、いくつかの理由があります。先にご説明したように、バックオフィス業務で課題が生じていたことはもちろん、児童手当は紙とオンラインの申請比率が半々で、件数そのものも多く、効果を測定しやすいと考えたことが、まず挙げられます。
また、児童手当を担当する職員の改善意欲が高かったため、実証に職員のリソースを割くことに理解を示してもらえた点も大きかったですね。

阿部様:業務フロー自体は従来のものからかなり変更になるため、職員への負担は、どうしても少なからず出てきてしまいます。そこは私の方でフォローしました。
ただ、「手続きBaton」は使い方も簡単なので、職員への特別なトレーニングは不要でした。新人が入ってきても、30分程度の研修で十分に使えるようになると思います。

また、申請の中には、たとえば、申請者と児童の住所が異なるために添付書類があるといったケースが稀にあります。このような場合はそのまま「手続きBaton」にインプットできないため「例外」として扱い、従来のように職員が手作業で検索できる業務フローにしました。

アイネスさんには、「手続きBaton」で活用するために従来の申請書フォーマットの改善アドバイスなど、BPRも含めてフォローしていただきました。

【成果・展望】申請書をAI-OCRにかけてからRPAの処理が済むまでの業務時間を45%削減

AI-OCRや電子申請の取り込みから「手続きBaton」上での内容確認、RPAによる処理まで年間506時間かかっていた業務時間が276時間に減り、45%の削減効果が見込まます。

鈴木様:「手続きBaton」の活用で、申請書のデータをRPAでスムーズに処理できるようになり、手作業で行っていた宛名番号検索や入力にかかる時間が大幅に削減されました。

具体的に従来の業務時間と比較すると、「手続きBaton」上で職員がデータを確認・補正するまでが40%、その後、RPAを経由して福祉システムに受け渡すまでが50%削減でき、トータルでは45%の削減となります。
その分、市民からのヒアリングなど 、アナログでの対応が必要な住民への手厚い支援に時間をかけられるようになりました。

阿部様:先ほど、申請のうち「例外」は手入力で対応しているとお伝えしましたが、実は現状では外国人からの申請はすべて「例外」として扱っています。

外国人には、日本人には必ずある「カナ氏名」に該当する情報がありません。カナ氏名があったとしても自己申告に基づく正式なものでないため、どうしても表記揺れが生じてしまうのです。

ただ、本市の市民には外国人が多いため、手作業の「例外」もそれだけ増えます。 そこで、来年度の改修では、在留カード番号へ紐づけすることが可能となるように要望しているところです。アイネスさんには、本市からの要望をよく聞いて動いていただいています。

鈴木様:太田市では、令和6(2024)年に電子申請システムを変更する予定です。これに合わせて新たに電子申請を開始し、紙での申請と併用して受け付ける事務も増加する想定です。
庁内でもDXの機運が高まっているので、介護や医療分野などを中心に、ほかの業務にも「手続きBaton」の活用を展開していきたいですね。

今回の実証は市単独事業として実施しましたが、他自治体を見渡しても住民窓口の改革は多くの自治体が予算をかけて取り組んでいます。今後は、職員の事務負担を削減し、少ない人的資源を効率的に活用するためのバックオフィスも含めたトータルとしての窓口改革を進める必要があります。

「手続きBaton」は申請受付処理をデジタルで一気通貫処理することを可能にするツールであり、さまざまな業務への拡張性が高いと考えています。多くの自治体で導入できるよう、国にはデジ田交付金の対象範囲をバックオフィス単独利用にまで広げて欲しいと思います。

「手続きBaton(バトン)」について、詳しくは製品紹介ページもご覧ください。
【製品紹介ページ】手続きBaton(バトン)

※ 本文に掲載されている会社名・団体名および製品名は各社または団体等の商標または登録商標です。
 

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