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テレワーク中のコミュニケーション課題を解決するためのポイントと工夫

テレワーク中のコミュニケーション課題を解決するためのポイントと工夫

2021年1月8日、1都3県で2回目の緊急事態宣言が発令され、13日には計7府県が追加されました 。宣言の内容には、飲食店の午後8時までの時短営業などに加え、企業へのテレワーク要請も含まれており、「出勤者の7割削減」が求められました。

テレワークに躊躇している企業様も、すでに実施している企業様も、出勤時とは異なる状況の中で、課題や悩みをお抱えなのではないでしょうか。
たぷるとぽちっと」でも、これまで何度かテレワークに関する課題について取り上げてきましたが、今回は、コミュニケーション上の課題にスポットを当て、対策のヒントに迫ります。

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テレワーク時の大きな課題『コミュニケーションの不安』

テレワーク時の大きな課題として、情報セキュリティ対策や勤怠管理などと並び、チーム間や上司・部下間でのコミュニケーション不足があります。

チーム間でのコミュニケーション不足

出勤していれば、ちょっとした打ち合わせなどは席を移動するだけで簡単に行えましたが、テレワークではそうはいきません。
テレワークが一般的になってからは、メールやチャットなどの文字情報でやり取りするか、お互いにスケジュールを調整してオンラインミーティングを行うかといった手段が主になりました。もちろん、今はweb会議も電話並みの気軽さで実施でき、情報共有の手段は非常に多くあります。それでも、相手の忙しさなどを目で見て感じ取ることができないため状況を把握するのが難しく、人によっては気兼ねしてしまうこともあるでしょう。

また、気分転換に雑談をしたり、自分が会話に加わっていなくても社員同士が話す内容が耳に入ってくることで可能だったちょっとした情報収集の機会も減少しがちです。
このようにコミュニケーションのハードルが高くなることから、社員の性格によっては孤独感を抱えてしまうこともあります。

上司・部下間のコミュニケーション不足

上記の延長線で、部下からは、わからないことを上司に聞いたり相談したりといったことのハードルが上がり、タイプによっては抱え込みすぎて問題を悪化させ業務に支障をきたしたり、最悪の場合は精神的に参ってしまう恐れもあります。

上司の立場からすれば、出勤していた時は部下の様子を見ながら、困っていそうだと思えば声をかけたり手を貸したりできたところが、テレワークでは業務の進捗状況や心身のコンディションを把握することが難しくなってきます。
また、指示を出した後、ささいな表情の動きを読み取って、きちんと理解しているかどうかを確認できたところも、同じようにはいかなくなります。

そういう面でやはり上司・部下間では定期的にコミュニケーションを取る仕組みが必要になってきます。

ただしそういった仕組みを作ったとしても、職場における上司・部下間の関係はとてもデリケートです。パーソナリティの問題もあり、中にはストレスを抱える場合もあるでしょう。
そんな時は厚生労働省が配布している「厚生労働省版ストレスチェック実施プログラム」などを実施してみてはいかがでしょうか。職場でのコミュニケーション不足はメンタルヘルスにも多大な影響を及ぼす場合もあるので、それらの対策を用意しておくのも良いかもしれません。

 

テレワーク時のコミュニケーションのポイント

前章でお伝えしたようなコミュニケーション上の課題を解決するために、まずはどのような意識で対策を検討すれば良いのでしょうか?
ここでは、3つのポイントを解説します。

顔を合わせてのコミュニケーションの場をつくる

実際に会って話すことが難しい中で、わずかでもコミュニケーションの実感を持つためには、ビデオ通話などで顔を合わせてコミュニケーションが取れる場を設けることが大切です。

PCモニター越しで仮想的に対面するため、ちょっとした表情や声のトーンの変化を掴むことは難しいながら、顔が見える安心感は有効です。

オンラインミーティングではビデオをオンにする、オンライン朝礼の時だけはビデオをオンにするなど、自社に合った頻度・タイミングで、顔を合わせてのコミュニケーションが取れる場を作りましょう。

チャットなどの返信・反応はスピーディに

業務が忙しかったり、オンラインでクライアントとの打ち合わせや社内会議が続いたりすれば、チャットでの連絡に対する返信が遅れがちになるのは仕方のないこと。

テレワーク時は、そうした特別な理由のある時を除き、チャットなどへの返信・反応はスピーディに行う心がけが大切になってきます。なぜなら、チャットは出勤時にオフィスで話しかけることの代用だからです。

特に、部下をマネジメントする立場にある方は、意識的に部下からの連絡にスピーディに反応する意識がなければ、信頼感・安心感が損なわれます。

雑談などのゆるいコミュニケーションを取れる場も必要

テレワーク時の遠隔によるコミュニケーションでは、どうしても業務に直結する内容、重要度の高いものが優先され、ささいな疑問の解消や雑談などは後回しにされがちです。

しかし、こうしたゆるいコミュニケーションを普段から行っているベースがあってこそ業務の相談がしやすくなりますし、雑談から企画が生まれたり相談のきっかけになるといったケースも珍しくありません。

「テレワークだから効率を求めなくては」と、ゆるいコミュニケーションを排除するのではなく、あえて雑談だけのオンラインミーティングの場を設けたり、普段の業務中に使える雑談専用ツールを導入したりという方向性で考えることが大切です。

テレワーク時のコミュニケーション対策に会社が取り入れるべき工夫

前章のポイントを踏まえ、実際に行う具体的な施策・工夫点をご紹介いたします。

スケジュール共有の仕組みづくり

チャットなどでの返信を待つのにも、オンラインミーティングの予定を決めるのにも、作業を依頼するのにも、相手のスケジュールがわからないと始まりません。
全社、部署内、チーム内など、自社のスタイルに合った規模でメンバー同士のスケジュールを可視化・共有する仕組みをつくり、運用しましょう。

相手のスケジュールから忙しさを測り、業務の割り振りや依頼の参考にするといった活用も可能です。

定期的に業務の進捗報告の場を設ける

上司が部下の業務の進捗を知りたい時、出勤時ならオフィスで声をかけて確認することもできましたが、テレワーク下で個別に課員の進捗状況を確認していたのでは効率が良くありません。

日次で各メンバーから進捗報告を受ける、週次で進捗報告のためのオンラインミーティングを開催するなど、定期的に業務の進捗報告を行う場を決めて実施しましょう。
その際、あらかじめ成果物や目標も明確に決めておくことで、自己申告だけに頼らない進捗確認が可能になります。さらには人事評価の材料としても活用できます。

テレワークにおけるコミュニケーションのルール作り

本コラムをご覧の方は、マネジメントする立場だったりテレワーク時のコミュニケーションに課題意識をお持ちだったりするかと思いますが、マネージャー側が高い意識を持っているだけでは、テレワーク時のコミュニケーション課題は解消できません。
管理職を含め、テレワークにおけるコミュニケーションをより良く、よりスムーズに、より有意義なものとするために、共通のルールを整備しておきましょう。

といっても厳格なものではなく、たとえば「オンラインミーティング五箇条」として、「一、オンラインミーティング中はビデオをオンにする」「一、誰かが話している時はマイクをオフにする」「一、理解できた時には、わかりやすく大きくうなずく」…のように、マナーレベルまで落とし込んだ具体的なものの方が運用しやすいでしょう。

雑談などゆるいコミュニケーションのためのツール導入など

ゆるいコミュニケーションを取れる場の作り方は、「毎週金曜日の昼休憩時間に雑談専用のオンラインミーティングを実施する」のような運用面の工夫で実現するのか、それとも、「Discord(ディスコード)」のような雑談専用のツールを活用するのか、会社ごとに最適なスタイルは異なるかと思います。必要に応じて予算を確保し、体制を整えましょう。

まとめ

テレワーク時に発生しやすい課題のうちの一つである「コミュニケーション不足」について、課題の詳細と、解決のためのポイントをご紹介いたしました。

テレワークにはさまざまな課題があり、どれも完全に排除することは難しいですが、意識を変え、工夫を施すことで、ある程度までカバーすることは十分に可能です。

出勤時の慣習にとらわれず、ご紹介したようなポイントを押さえながら、新しい視点で対策を検討してみてはいかがでしょうか。

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