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議事録自動作成ツールとは、会議や商談の音声データを読み込ませることで、自動的に議事録を作成できるツールのことです。近年はAI搭載の議事録自動作成ツールも登場しており、議事録の要約やタスク抽出、多言語翻訳などが可能なものもあります。
とはいえ、ツールによってできることはさまざまなので、「議事録自動作成ツールの機能を把握したい」「議事録自動作成ツールを導入するメリットを知りたい」といった声が上がっています。
そこで本記事では、議事録自動作成ツールを活用すると何ができるのか、基本的な機能や導入のメリット・デメリットなどを解説します。議事録自動作成ツールの選び方も紹介するので、ツールの導入を検討している方はぜひ参考にしてみてください。
目次
6.まとめ
議事録自動作成ツールとは、会議・商談・ミーティングなどの音声を読み取り、自動で議事録を作成できるツールのことです。
単なる文字起こしとは異なり、近年はAIを搭載した議事録自動作成ツールも増えてきています。AIを搭載した議事録自動作成ツールは、声から発言者を特定して発言をまとめたり、会議で決まったことをリスト化したりする機能を備えているのが特徴です。
議事録自動作成ツールには、主に以下の5つの機能が備わっています。
機能 | できること |
---|---|
会話の文字起こし | 会議音声をテキストデータに変換する |
タスクの作成 | 会議中に上がったタスクを抽出して整理できる |
翻訳 | 外国語の発言を指定した言語に翻訳できる |
議事録の要約 | 作成した議事録を要約する |
議事録の作成・共有 | テキストデータを議事録として作成し、関係者に共有する |
それぞれの機能で何ができるのかを確認し、自社に必要な機能をリストアップしておきましょう。
会話の文字起こしは、議事録自動作成ツールの基本的な機能です。アップロードした音声データを読み取ってテキストデータに変換します。
ツール自体に録音機能が備わっているものや、会話をリアルタイムで文字起こしできるものなど、何ができるかはツールによってさまざまです。近年はAIによる音声認識技術も進歩しており、精度の高い文字起こしができるようになってきています。
議事録自動作成ツールは単に文字起こしをするのではなく、議事録として仕上げられるのが特徴です。
例えば、自動話者分離機能を活用することで、議事録で重要な「誰が何を言ったか」を明確に区別できます。発言内容や議題によってタグ付けや分類機能で内容を整理できるのも、わかりやすい議事録作成に役立つでしょう。
議事録内容からのタスクの抽出も、議事録自動作成ツールの便利な機能のひとつです。会議における「誰がいつまでに何をする」という重要な決定事項をタスクとして抽出できます。正しくタスクを抽出しておくことで、その後の業務を効率的に進められるでしょう。
また、抽出したタスクを関係者に共有することも可能です。リマインド機能でタスクの実行漏れを防ぐなど、議事録をより効果的に活用できます。
多言語対応の議事録自動作成ツールなら、外国語での発言も翻訳して議事録にまとめられます。多国籍のメンバーで構成されたチームの打ち合わせや、海外の顧客との商談などの議事録を、関係者全員が理解しやすい言語に翻訳して作成可能です。
リアルタイムで翻訳できるツールなら、議事録としてはもちろん、会議中の発言を理解するためにも役立ちます。特に、外国語での議事録作成ができるスタッフが限られている企業・チームにおいては、翻訳機能付きの議事録自動作成ツールが役立つでしょう。
議事録自動作成ツールでは、同じツール内で議事録を関係者へ共有することも可能です。議事録のテキストデータやリンクを関係者へ送付したり、クラウドに保存して関係者が閲覧・編集できるようにしたりできます。
議事録自動作成ツールでは、議事録の要約も可能です。議題が多い会議や長時間の会議の議事録は長くなりがちですが、要点だけをまとめて振り返りやすい形に調整できます。
議事録の要約は、議事録作成時に時間がかかる作業のひとつです。また、人によって要約内容に差が出やすいともいえます。議事録自動作成ツールを導入すれば、スピーディかつ正確な議事録の要約が可能です。
議事録自動作成ツールの導入には、メリットとデメリットがあります。議事録自動作成ツールを導入する主なメリット・デメリットは以下のとおりです。
メリット
・会話に集中できる
・議事録作成の負担を軽減できる
・聞き逃しやタスク漏れなどが防げる
・迅速な情報共有が可能になる
デメリット
・導入・運用にコストがかかる
・必ず人の手による調整が必要になる
議事録自動作成ツールを導入する一番のメリットは、議事録を作成する工数の削減です。
従来のように人の手で議事録を作成する場合、作成に手間と時間がかかるほか、議事録作成に気を取られ会議に参加しにくくなります。議事録自動作成ツールを導入すれば、スタッフは会議にしっかり集中しながら、スピーディに議事録を作成・共有可能です。
また、一定のクオリティの議事録を作成できるのも議事録自動作成ツールの強みだといえます。
人が作成する議事録は、作成者によって記載する内容に違いがあったり、聞き逃しがあったりするのも課題です。議事録自動作成ツールなら、誰が使っても品質の高い議事録を作成できます。
内容の記録だけでなく、要約・翻訳・タスクの抽出などもこなせるため、議事録作成に高いスキルは必要なくなるでしょう。
議事録を簡単に共有できるのも、議事録自動作成ツールを導入するメリットです。手作業で作成した議事録は、メール送付やフォルダ保存の手間がかかります。議事録自動作成ツールを使えば、共有用リンクなどを自動生成して議事録を簡単に共有可能です。
議事録自動作成ツールを導入するデメリットは、コストがかかる点です。精度や機能性に優れた議事録自動作成ツールの導入には、月額料金や初期費用がかかります。特定の機能にはオプション料がかかるケースもある点には注意してください。
とはいえ、手動で議事録を作成するよりも工数を削減できます。適切な料金のツールを選べば、手動で議事録を作成する人件費などを考慮するとコストメリットはあるといえるでしょう。
次に、議事録自動作成ツールの選び方を解説します。選び方のポイントは、以下の6つです。
選び方のポイント | 概要 |
---|---|
使いやすいか | 操作性がよく、導入が簡単か |
文字起こしの精度は高いか | 音声を正しく認識して正確にテキスト化できるか |
機能は充実しているか | 自社に必要な機能が備わっているか |
他ツールとの連携 | 使用中のWeb会議ツールなどと連携できるか |
セキュリティ | 情報漏えいや改ざんのリスクがないか |
導入コスト | 無駄なコストをかけずに導入・利用できるか |
音声認識の精度や機能性だけでなく、使いやすかどうかも大切です。操作性やUI、導入のための準備の簡単さなどをチェックして、スタッフが使いやすいものを選びましょう。
操作性について特に確認しておきたいのは、起動・停止の速さです。会議中には、議事録に記録すべきタイミングとそうでないタイミングがあります。簡単な操作で素早く起動・停止できる議事録自動作成ツールなら、複雑な会議の流れにも対応可能です。
なお、議事録自動作成ツールには、一定の期間・機能を無料で試用できるものもあります。使いやすさを確認してから導入を検討したい場合は、試用版があるものをチェックしてみてください。
音声認識の精度は、議事録自動作成ツールの重要なポイントです。発言内容を正確にテキスト化できないツールを選んでしまうと、手動で編集する手間がかかります。ツールを導入するメリットをしっかり得られるように、音声認識の精度が高いものを選びましょう。
AIの学習機能もチェックしておきましょう。AI搭載の議事録自動作成ツールには、音声データのテキスト変換を繰り返すうちにテキスト化の精度が上がっていく学習機能があります。専門的な用語や言い回しを学ぶことで、ツールの使い勝手が改善されていくでしょう。
一般的な議事録自動作成ツールには辞書機能が備わっています。辞書機能は、事前に専門用語などを登録しておくことで、AIの音声認識精度を高められるものです。専門的な言葉が飛び交う会議で使うなら、辞書機能の充実度にも注目してツールを選びましょう。
議事録自動作成ツールは、必要な機能を備えているものを選びましょう。例えば、海外の取引先や顧客との打ち合わせ・商談が多い場合は、多言語翻訳機能が必須です。社内での進捗会議などに頻繁に使うのであれば、タスク抽出機能があると便利です。
また、過去の議事録を閲覧する機会が多いのであれば、議事録の検索機能が役立ちます。議事録を活用しやすいようにアレンジしたい場合は、自由に編集・加工ができるツールを選びましょう。複数のユーザーが同時に編集できるものなら、チームでの作業効率が向上します。
議事録自動作成ツールには、他にも以下のようにさまざまな機能が備わっています。議事録を作成するシーンや議事録の活用方法を考慮して、必要な機能をリストアップしてみてください。
<議事録自動作成ツールの機能例>
機能 | できること |
---|---|
豊富な議事録のテンプレート | 複数の議事録の形式を統一できる |
多言語翻訳機能 | 外国語での会話を翻訳して議事録を作成できる |
議事録の編集・加工機能 | ツールが作成した議事録を自由に編集・加工できる |
タスクの作成機能 | 「誰がいつまでに何をするか」をタスクとして整理できる |
議事録の検索機能 | 過去の議事録をキーワードや日付などで検索できる |
議事録自動作成ツールは、普段使っている別のツールと連携できるものがおすすめです。特に、オンラインでの会議に使うのであれば、使っているWeb会議ツールと連携できるものを選びましょう。
社内外の重要な会議・商談の情報を扱うAI議事録作成ツールは、セキュリティ対策が整備されているものを選びましょう。簡単にデータを盗み見されたり、改ざんされたりするリスクがあるツールを業務に使うのは困難です。
まず、作成した議事録の閲覧・編集の権限を設定できるものがおすすめです。また、暗号化通信技術が備わっているかどうかも、公式サイトなどでチェックしておきましょう。
議事録自動作成ツールの利用には、無料版と有料版があります。無料版でも十分便利に使えるツールはありますが、音声認識の精度や機能の充実度を重視するのであれば、有料版のツールを利用するのがよいでしょう。
有料の議事録自動作成ツールを選ぶ場合は、月額料金や初期費用などかかるコストを明確することが大切です。たとえ機能性が高くても、月に数回しか使わないのであれば高価なツールを使ってもコストメリットは低いといえるでしょう。
また、有料の議事録自動作成ツールには、料金プランごとに利用時間が制限されているものもあります。月の会議・商談・打ち合わせなどの頻度を整理して、毎月無駄なコストをかけずに使えるツールを選ぶことも大切です。
代表的な議事録自動作成ツールとして、以下の3つを紹介します。
ツール名 | AI議事録取れる君 | AmiVoice Scribe Assist | ZMEETING |
---|---|---|---|
料金 | 個人利用:980円/月(3時間)〜 法人利用:5,500円/月(10時間)〜 |
要問い合わせ | 要問い合わせ |
無料トライアル | あり | あり | なし |
連携できる Web会議ツール |
Zoom・Microsoft Teams・Google Meetなど | Zoomなど | Zoomなど |
URL | 詳細はこちら | 詳細はこちら | 詳細はこちら |
※本内容は、2025年1月時点の情報に基づいています。
AI議事録取れる君は、ブラウザ上で使う議事録自動作成ツールです。Chrome・Safari・Edgeなどのブラウザ上で起動し、Zoom・Microsoft Teams・Google MeetといったWeb会議ツールと連携して使えます。
AIによる高精度な要約機能や翻訳機能が、AI議事録取れる君の魅力です。作成した議事録は関係者による共同編集もできるため、効率的かつ正確に議事録を作成できます。
料金は、個人なら980円/月(3時間)〜、法人なら5,500円/月(10時間)〜です。無料版はありませんが無料トライアルはできるので、気になる場合はチェックしてみてください。
項目 | 説明 |
---|---|
料金 | 個人利用:980円/月(3時間)〜 法人利用:5,500円/月(10時間)〜 |
無料トライアル | あり |
連携できるWeb会議ツール | Zoom・Microsoft Teams・Google Meetなど |
URL | https://gijirokukun.com/ |
AmiVoice Scribe Assistは、オフライン環境でも使える議事録自動作成ツールです。インターネットに接続しなくても使えるため、情報漏えいなどのリスクを抑えられます。Web会議だけでなく、対面会議でも使いやすいのはメリットです。
単語登録や話者識別機能など、議事録作成に便利な機能を複数搭載しています。例えば、文字起こしと連動した音声再生機能を使えば、議事録の気になるところの会議音声を再生可能です。
料金は公表されていないため、問い合わせが必要です。気になる場合は、無料トライアルの利用も検討してみてください。
項目 | 説明 |
---|---|
料金 | 要問い合わせ |
無料トライアル | あり |
連携できるWeb会議ツール | Zoomなど |
URL | https://voxt-one.advanced-media.co.jp/service/scribeassist/ |
ZMEETINGは、産総研(国立研究開発法人産業技術総合研究所)発のベンチャー企業が開発した議事録自動作成ツールです。音声認識率やセキュリティ性の高さをアピールしています。
AIによる要約や翻訳機能に加え、感情認識機能を搭載しているのが特徴です。会議音声を感情認識エンジンに通すことで、会議全体の雰囲気を可視化できます。
料金は公開されていませんが、1つのライセンスで複数のアカウントを作成できるため、チームでの使用にもおすすめです。詳細は、資料請求をしてチェックしてみてください。
項目 | 説明 |
---|---|
料金 | 要問い合わせ |
無料トライアル | なし |
連携できるWeb会議ツール | Zoomなど |
URL | https://www.zplatform.ai/ |
本記事では、議事録自動作成ツールとは何か、できることや導入のメリット・デメリットなどについて解説しました。議事録自動作成ツールを導入することで、議事録作成にかかる工数を削減できるうえ、正確な議事録をスピーディに共有可能です。
近年は、多機能なAI搭載の議事録自動作成ツールも増えています。AI搭載のツールなら、話者の識別や要約、タスクの抽出なども可能です。長い議事録もわかりやすくまとめられるため、関係者が内容を確認しやすいのもメリットだといえます。
議事録自動作成ツールを選ぶときは、音声認識の精度・機能・料金・セキュリティなどに注目して選びましょう。また、普段使っているWeb会議ツールと連携できるものなら、スムーズに導入して活用できます。
なおアイネスでは、AIを活用した自治体相談業務支援サービス「AI相談パートナー」を通して、自治体における相談業務の効率化を支援しています。
AI音声認識技術を用いて、会話内容をリアルタイムに自動でテキスト化(文字起こし)します。テキスト化した内容は保存できるので、相談記録票を作成する時に活用でき、そのまま関係者に共有可能です。
相談対応中の会話内容に応じて、相談対応に役立つガイダンスを表示します。ガイダンス内容は、深堀してヒアリングすべき項目、関連行政サービス情報、関連法案等です。
テキスト化された会話内容に対し、個人が特定される恐れのある情報を自動でマスキングします。
相談業務で必要とされる観点要約により、相談員の業務負荷を圧倒的に削減します。
AI相談パートナーは、低コストでのスモールスタートも可能です。議事録自動作成ツールをはじめ、業務のデジタル化を検討している自治体関係者の方は、ぜひお気軽にご相談ください。
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