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質問対応から資料の生成まで… ChatGPTが進める働き方改革

質問対応から資料の生成まで… ChatGPTが進める働き方改革

米国の企業・OpenAI社が開発した対話型AI(人工知能)「ChatGPT」。一般的な会話文で操作し、その名の通り「チャット感覚」で利用できるAIとして注目を集めています。インターネット上にある膨大な文章や会話データを言語モデルとして学習するため、チャットボットとは異なり、定型文によらない自律的な回答が可能。文章の要約から資料の生成など、活用の仕方次第で既存の業務を大幅に迅速化させることができます。

チャット感覚でAIが使える「ChatGPT」

ChatGPTとは、米国の企業・OpenAI社が開発した対話型AI(人工知能)です。一般的な会話文で操作し、まるで人間とチャットする感覚でAIのさまざまな機能を利用することができます。2022年11月に最初のバージョンが公開され、2023年5月には日本語版の公式アプリもリリースされました。

一番の特長は、インターネット上にある膨大な文章や会話データを言語モデルとして学習、蓄積しているという点です。「◯◯について教えて」と検索エンジンのような使い方ができるほか、文章を要約、翻訳したり、「取引先に送るあいさつ文を考えて」など、特定の条件に基づく文章を生成することができます。

基本的な機能は無料で使用することができますが、一度に行える質問の回数や文字数に制限があります。有料プランを契約すると、これらの制限が緩和されるほか、より精度の高い言語モデルの利用や、質問内容に基づいた画像の生成など、多くの機能が利用可能になります。

ChatGPTはチャットボットとどう違う?

会話文形式で入力された質問に対して回答する仕組みとしては、「チャットボット」も多く用いられています。一見同じような仕組みに見えるチャットボットとChatGPTですが、その裏側は大きく異なります。

チャットボットは、特定のキーワードやトリガーをきっかけにして、あらかじめ設定したパターンに基づいて定型の回答を行います。一方、ChatGPTの場合は質問を受けて自ら学習を行い、必要なデータがあれば新たに取得するため、あらかじめ設定したパターン以外にも、あらゆる領域に対する質問へ柔軟に対応できるのが特長です。

これまでのチャットボットでは、ユーザーからの質問へ細やかに対応するために、あらかじめ大量のパターンを想定し、事前に登録しておく必要がありましたが、ChatGPTの場合は質問を受けて自律的にAIが“考えて”回答するため、人員や業務リソースが多く割けない環境でも高い顧客サービスを提供することができます。

議事録の要約から“炎上リスクの判断”まで…高度な業務もChatGPTで簡単に

ChatGPTを効果的に利用することで、これまで専門的な人員や対応工数を必要としてきた業務の多くを省力化し、より円滑に進めることが可能となります。

ビジネスメールや資料を作成する際、盛り込みたい情報や文章のフォーマット、条件などの情報を入力することで、瞬時に整った文章を作ることができます。会議の議事録など、長い文章の要点だけを抽出して整理することもできます。「議題を箇条書きにして、もっとも議論の深かった箇所をハイライトして」など、形で指示すれば、長時間の会議の要点を会議後すぐメンバーへ共有することも可能です。

また、ChatGPTでは、入力された条件に応じて、さまざまなデータの“ひな形”を生成することができます。たとえば「自社の製品を初心者向けに500文字以内で解説する資料を作成したい」「商品のキャッチコピーを100個考えたい」といったアイデアを入力することで、実際の文章やプログラムの形が生成されるため、1から作成するよりも大幅なスピード向上につながります(この機能を利用するには有料プランを契約する必要があります)。

人間による文章やデータの品質、そして作業速度の向上にもChatGPTは大きな力を発揮します。作成した文章やプログラムのコードを入力して、表現や文法の誤りを添削したり、「この文章において炎上の恐れがある箇所を教えて」など、事前のリスク判断にも活用できます。このように、これまで専門の技術や大幅な工数を必要としてきた業務も、ChatGPTを使えば簡単に実現することができるのです。

セキュリティポリシーに合わせてChatGPTの使い方を選ぶ

ChatGPTを利用する際には、「Web版」「API版」「クローズド環境」といった3つの方法があります。セキュリティポリシーに合わせて選びましょう。

「Web版」は、Webブラウザやアプリを経由してChatGPTを利用する方法です。特別な環境を用意する必要がなく、一般的な問い合わせやテキスト生成に向いています。ただし、入力データはインターネット上を流れ、サービス提供者側で保持されるため、機密情報の利用や組織内での利用監査等には使用できません。設定によっては入力データがAIの学習に使用される場合もあるため、使用させたくないときは明示的な設定の必要があります。

「API版」は、組織内の閉域ネットワーク上から独自のアプリなどを使い、クラウド上のAPI経由でChatGPTを利用する方法です。「Web版」同様、入力データがサービス提供者側で保持されるため、機密情報を含む業務データを扱うには向いていませんが、サービス提供者による監視サービスなどを活用することで、組織内での利用監査等ができる環境構築も可能です。

「クローズド環境」は、閉域ネットワーク上にChatGPT環境を構築して利用する方法です。入力データがインターネット上に流れないため、機密情報を扱うのに向いており、組織内での利用監査等にも対応できます。利用にあたっては公開されているAI学習モデルを読み込む必要があるため、「Web版」「API版」に比べて回答の正確さに差が出る可能性がありますが、再学習によって、特定分野に特化したモデル作成が行えるというメリットがあります。

まとめ

対話型AIであるChatGPTは、インターネット上の膨大な文章データを学習し、文章生成や要約、翻訳、質問に対する回答などの機能を提供します。操作は自然な会話文を用いて行い、利用者は人間とチャットする感覚でAIを利用することができます。

ChatGPTは一般的なチャットボットと異なり、事前設定のパターンにとどまらず、柔軟に質問に対応できる点が特長です。これにより、高品質な顧客サービスを提供できるほか、ビジネス文書の自動生成やデータ処理、文章の添削など、多くの業務を迅速化します。

アイネスでは現在、地方自治体を結ぶ閉域ネットワーク(LGWAN)を舞台に、クローズドな環境でセキュアに動作する生成AIの使い方を研究しています。個人情報や機密情報の漏洩リスクを大幅に低減し、ChatGPTなど生成AIの機能を安全に運用することで、業務効率化とサービス向上への貢献を目指しています。

※ 本文に掲載されている会社名・団体名および製品名は各社または団体等の商標または登録商標です。

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