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RFI(Request for Information)やRFP(Request for Proposal)を作成することは、プロジェクトや調達プロセスにおいて重要なステップです。
RFIやRFPを作成することで、発注者は自社のニーズを明確にできます。また、複数のベンダーから提案を比較検討することで、より良い提案を選定することができます。さらに、RFIやRFPで要求事項を明確にすることで、契約トラブルを未然に防ぐことも可能です。
では、このようなメリットを十分に引き出すためには、RFIやRFPをどのように作成すれば良いのでしょうか?
本コラムでは、RFI、RFPを作成する目的や、メリット、ポイントをご紹介いたします。
そもそも、RFI、RFPとは、それぞれ何を指すのでしょうか?
RFI(Request for Information)とは、企業や官公庁などが業務委託、入札、調達などを行う際に、発注先候補の業者に情報提供を依頼する文書のことで、日本語では「情報提供依頼書」「情報提供要請」などと呼ばれます。
RFIは、次のような項目で作成します。
RFIは具体的な提案を求めるのではなく、企業やサービスに関する情報を幅広い収集するが目的です。
RFIを通して、市場に存在する多くのベンダーやパートナーの概要を知ることができます。それにより、適切なベンダーやパートナーを選定する際にリストを絞り込むことができます。また、ベンダーやパートナーとの初期のコンタクトを築くこともできます。
RFP(Request for Proposal)とは、企業や官公庁などが業務委託、入札、調達などを行う際に、発注先候補の業者に提案書の提出を依頼する文書のことで、日本語では「提案依頼書」と呼ばれます。
RFPは、次のような項目で作成します。
RFPは、RFIの後に特定のベンダーに対して提案を求める文書です。
企業は、RFIの結果を元に選定したベンダーやパートナーに対して、プロジェクトの要件や目標に基づいて、具体的な課題への解決策や提案を提出してもらうために使用します。
RFPによって発注者は、課題の解決策や優れた提案を受け取ることができます。
RFIやRFPを作成することで、次の4つのメリットが期待できます。
RFPやRFIを作成し、複数のベンダーから提案を募ることで、ベンダーは競争を意識し、より良い提案を作成しようと考えるため、ベンダー間の競争を促進できます。
ベンダー間の競争を促進するポイントとしては、
などが挙げられます。
RFIやRFPを作成することで、ベンダーは発注者のニーズをより深く理解し、自社の強みを活かした提案を作成することができます。
また、複数のベンダーから提案を募ることで、より良い提案を比較検討し、最も適切なベンダーやパートナーを選定することができます。
このため、RFPやRFIを作成することで、最適な提案を受けられるようになります。
RFIやRFPを作成する過程で、プロジェクトの要件が明確になります。これにより、企業とベンダーとの認識や期待値を合わせられ、プロジェクトのスムーズな進行と、要件が達成される可能性を高められます。
自社のニーズを明確にするために、以下の3つの作業を行いましょう。
RFPやRFIを作成することで、以下のリスクを最小化することができます。
・要件の抜け漏れ
RFPやRFIを作成することで、自社のニーズを明確にすることができます。そのため、要件の抜け漏れを防ぐことができます。
・ベンダーの選定ミス
RFPやRFIを作成することで、複数のベンダーから提案を募り、比較検討することができるため、ベンダーの選定ミスを防ぐことができます。
・プロジェクトの遅延やコスト超過
RFPやRFIを作成することで、プロジェクトの要件やスケジュール、予算を明確にすることができます。そのため、プロジェクトの遅延やコスト超過を防ぐことができます。
RFI/RFPを作成する際は、次の5つのポイントを押さえると良いでしょう。
RFPやRFIを作成する際は、まず、目的と目標を明確に把握する必要があります。
上の「RFIの目的」「RFPの目的」で挙げたのは一般的な目的です。自社が、何を求め、何を達成したいのかを明確にすることで、適切な提案を受けやすくなります。
また、RFIやRFPの目的を明確にすることで、必要な情報を収集しやすくなります。たとえば、RFIの目的が製品やサービスの情報を幅広く収集することであれば、製品やサービスの概要、技術情報、価格、納期などの情報を収集することに注力できます。
RFIやRFPを作成する際には、自社が抱えている課題は何なのか、自社のニーズを明確にし、これを満たすためには、どのような製品やサービスが必要なのかを重点を置いて作成しましょう。
RFPやRFIを作成する際は、要件を具体化する必要があります。要件を具体化することで、ベンダーが自社に最適な提案を作成しやすくなるためです。なお、要件とは、必要な条件のことです。
RFIやRFPに記載する要件としては、以下のようなものがあります。
要件をまとめる際は、ベンダーの視点に立ち、ベンダーがどのような情報を必要としているかを考え、ベンダーが提案しやすいように情報を整理すると良いでしょう。
5W1Hで記載したり、具体的な数値や基準を記載したりするのがおすすめです。
RFPやRFIを作成する際は、選考基準や評価方法を明示し、全てのベンダーに対して均等なチャンスを付与する必要があります。
RFIやRFPのプロセス、評価基準、結果などを公開し、公平性と透明性を担保しましょう。
RFPやRFIは、発注者がベンダーから適切な提案を得るために作成する文書であるため、ベンダーに対して適切な情報提供を行うことで、ベンダーが最適な提案をしやすくなります。
上記のような項目に基づいて、詳細な情報を提供してください。
ベンダー側から、RFIやRFPに関して質問などがあれば、できるだけスピーディに回答しましょう。
迅速な対応を行うことで、ベンダーとの信頼関係を築けますし、ベンダーのモチベーションを高められ、より積極的な提案を受けられる可能性があります。
また、多くの場合、RFIやRFPのプロセスは通常、スケジュールが厳格に決まっているため、迅速に対応しなければスケジュールに遅れが生じてしまう恐れもあるのです。
RFIやRFPを適切に作成することで、以下のメリットが得られます。
RFI/RFP作成は重要なプロセスですが、複雑さや時間を要することもあります。
RFIやRFPを作成するためには、自社のニーズを明確にし、契約内容を明確にするする必要があり、システムやサービスの知識、発注管理の知識、交渉のスキルなどが求められます。
そのため、RFIやRFPの作成をプロに依頼するのもおすすめです。プロに依頼することで、以下のメリットが期待できます。
なお、アイネスの「RFI/RFP作成支援コンサルティングサービス」は、長年にわたる経験と専門知識を持つコンサルタントが参画させることにより、お客様のニーズに合わせたRFI/RFPを作成し、プロジェクトの成功をサポートします。
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