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テクノロジーの進歩がビジネスの在り方を大きく変える!顧客体験を向上させるデジタルディスラプションとは

テクノロジーの進歩がビジネスの在り方を大きく変える!顧客体験を向上させるデジタルディスラプションとは

デジタルトランスフォーメーション、デジタルディスラプション、デジタル・ボルテックスなど、テクノロジーの著しい進歩にともない、新しい言葉が続々と現れています。

テクノロジーを活用した新たなビジネスモデルは、従来のサービスと同等以上の価値を低コストで顧客に提供することができるのが強みです。従来型のビジネスモデルに固執していたらいつの間にか顧客が離れ、事業が立ち行かなくなったということにもなりかねません。

今回は、「デジタルディスラプション」について、解説します。

1.デジタルディスラプションとは

デジタルディスラプションとは、新しいデジタルテクノロジーにより、新しいビジネスモデルが生まれて既存の市場が破壊され、既存の製品・サービスの価値が変化する現象を呼びます。ディスラプション(disruption)は、「崩壊」という意味を持ち、「創造的破壊」ともよばれます。

また、デジタルディスラプションを起こしている当事者を「デジタルディスラプター」といいます。

2.デジタルトランスフォーメーションとデジタルディスラプション

デジタルトランスフォーメーションとは、最新のデジタルテクノロジーを駆使して、企業が戦略やプロダクト、業務フローなどを変革させていくことを表す概念のことです。

デジタルトランスフォーメーションとデジタルディスラプションの関係は、「デジタルトランスフォーメーションにより、デジタルディスラプションが起きている現状に対し、対抗手段としてもまたデジタルトランスフォーメーションに基づく施策が有効である」というものです。

近年のデジタルテクノロジーの進歩はめざましく、複数のテクノロジーを組み合わせることで、革新的な製品・サービスが生み出されています。それにより、既存市場が変化し、デジタルトランスフォーメーションにより、さらに競争力の高い製品・サービスを生み出さなければ淘汰されてしまうということです。

3.デジタルディスラプションの事例

ここで、デジタルディスラプションの事例をいくつかご紹介します。

3-1.Amazon(アマゾン)

1994年に「Cadabra, Inc.」としてアメリカで設立された「Amazon.com」は、2018年11月時点で日本を含む14ヵ国でサイトが運営され、2018年決算の総売上高は2,328億8,700万ドル、2018年の世界の小売業ランキングで6位にランクインしました。創業者のジェフ・ベゾスは、フォーブスが発表する2018年の世界長者番付で第1位にランクインしています。

Amazonは、オンライン書店としてサービスを開始し、店舗では実現し得ない幅広いタイトル数と、使用する宅配会社の分散による中長期的な物流戦略が奏功して売上を伸ばし、書籍以外の小売の開始や電子書籍、音楽・動画配信など事業を拡大してきました。

物流に関しては、ドローンを活用した「Amazon Prime Air計画」、ロボットを活用した配送センター、在庫管理・商品配送代行サービス「フルフィルメントby Amazon」の提供といったさまざまな取り組みを行って、物流に革新をもたらしました。
(フルフィルメントとは、通販やECサイトでお客様が商品を注文してから、手元に届くまでに発生する業務全体のこと)

書籍や雑貨から音楽や動画まで、PCやスマホから簡単に購入・配送手続きができるサービスの誕生により、アメリカでは、大手書店「BORDERS(ボーダーズ)」や、玩具小売大手の「Toys“R”Us(トイザらス)」の経営破たんがAmazonに起因しているという見方もあります。

【参照】

3-2.Netflix

Netflixは、1997年にアメリカで設立されたオンラインDVDレンタル及び映像ストリーミング配信事業を行う企業です。
前項でご紹介したAmazonのほか、日本ではHulu、dTVなどさまざまなサービスが現れていますが、草分けとなったのがNetflixです。

創業者の一人で現CEOのリード・ヘイスティングスが、自身の「ビデオテープを返却期限内に返せずに延滞料金を支払った」体験が事業のきっかけとなっています。
当初はインターネットと郵送を組み合わせたDVDレンタルサービスとして事業を立ち上げ、次第に、蓄積した顧客のレンタル履歴を分析し、顧客の好みに合ったDVDをお薦めするレコメンデーション機能も導入しました。
その後、インターネットと郵送を組み合わせたサービスを自ら壊し、オンラインの動画配信というサービスを立ち上げます。そして顧客の利用履歴の分析精度を上げ、顧客の好みに合致したコンテンツを自ら企画・制作するようにまでなりました。Netflixの登場で、「借りるため・返すために来店する」という文化は次第に薄れ、オンラインで動画配信サービスを享受するという文化が主流になろうしています。

4.まとめ

デジタルテクノロジーによる革新の波はとどまることなく今後も加速していくでしょう。
デジタルディスラプションにより生まれた新しいサービスは、顧客にとってより便利で、より安価で、満足度の高いことが共通点であると言えます。事例でご紹介したサービスは「顧客視点」を重視し、顧客の体験を向上させるためにデジタルテクノロジーを活かしています。

「顧客により良い体験をしてもらい顧客にもっと喜んでもらうためには、どのデジタルテクノロジーをどのように採用すれば良いか」という視点を持ってビジネスを考えることが、デジタルディスラプションの第一歩となるのかもしれません。

アイネスグループでは、デジタルテクノロジーを活用した新しいビジネスモデルの創出を目指した研究も行っております。
ぜひお気軽にご相談ください。



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