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2018/02/27

デジタルトランスフォーメーションとは?DXのキホンのキ

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「IT」という言葉が使われ始めて早20年。近年は、「IoT」「ロボティクス」「AI」などデジタル技術の著しい進化のもと、大手企業を中心として、最新技術を取り入れて経営革新に取り組む動きが大きなうねりとなっています。


今回は、数年前から聞かれるようになった「デジタルトランスフォーメーション」について、その基本的な部分から改めて解説し、活用のヒントを探ります。



デジタルトランスフォーメーションとは?

デジタルトランスフォーメーション(Digital Transformation/デジタル変革)は、「最新のデジタル技術を駆使して、企業が戦略やプロダクト、業務フローなどを変革させていくことを表す概念で「DX」と略されます(英語では「Trans」を「X」と訳す習慣があるそうです)。最新のデジタル技術を採用することで、顧客体験を改善したり、さらなる競争力をつけたりするために、ビジネスの可能性を再考するプロセスともいえます。


日本でも、この数年で企業と顧客とのコミュニケーションにおけるデジタル化が加速し、顧客のニーズは「より自由なタイミングで好きなように商品やサービスの情報を得たり、購入したりしたい」というものへ変化してきました。このニーズを満たし、「より良い顧客体験を創造するため」に最新のデジタル技術を取り入れることが、デジタルトランスフォーメーションを成功させるための鍵だといえます。逆にいえば、何の戦略もなくただ最新技術を導入しても企業としての競争力が高まるわけではなく、根底には顧客を重視した戦略が必要不可欠であるということです。


この「顧客」のなかに「従業員」が含まれる点も忘れてはいけません。デジタルトランスフォーメーションの導入が社員の働き方改革にも貢献すれば、それも導入効果と捉えることができます。日本でも大企業や先進的な企業を中心にデジタルトランスフォーメーションに取り組む企業が増えてきていますが、どちらかというと「顧客重視」というより「効率化・コスト削減」に重きを置いた取り組みが多く見られる傾向があります。


ここで、デジタルトランスフォーメーションを語る際に必ずといっていいほど取り上げられる二大事例「Uber(ウーバー)」と「Airbnb(エアビーアンドビー)」について簡単にご紹介します。



Uber(ウーバー)

Uberは、米国発のライドシェアを目的とした自動車配車ウェブサイトおよび配車アプリで、車に乗りたい人と、ドライバーになりたい人をマッチングさせるシステムです。利用者は付近にいるドライバーの情報を名前や車両とともに得ることができます。タクシーサービスが普及していないエリアでも、明瞭会計でクレジットカード払いもできるといったサービスを享受できるというメリットがあります。


大きな特長となっているのが、一般人が空き時間を使って自家用車でタクシーサービスを提供し、お小遣い稼ぎができる点。日本ではこれが「白タク行為にあたり違法」だという見解が国土交通省より出されたため、タクシーの配車サービスに専念する方針を示しています(2017年11月現在)が、世界632都市(2018年2月現在/UBERのホームページより)で導入されています。


Uberが革新的なのは、これまでは配車依頼のためにコールセンターに電話をかけ、コールセンターから営業所(ドライバー)に指示を出すといった人手に頼っていた配車のシステムをスマートフォンアプリでデジタル化した点でしょう。これにより、利用者はこれまでよりも気軽に配車を依頼してタクシーサービスを利用できるようになり、ドライバーは自分の好きな時間に自家用車を活用して仕事ができるようにもなったのです。



Airbnb(エアビーアンドビー)

Airbnbは、使っていない部屋や家を、必要としている人に貸し出すためのマッチングサイトです。日本でもマスコミで取り上げられ「民泊」という言葉が浸透しましたが、Airbnbはいわば「民泊を仲介するプラットフォーム」ともいえます。


これまでの宿泊サービス(ホテルや旅館など)とは異なり、現地の生活者の暮らしに近い宿泊体験ができたりホスト(民泊の提供者)と交流できたりすることや、費用が格安であることなどが支持されているほか、宿泊を目的とせず、パーティなどのイベントや研修施設として利用できるなど、活用範囲が広いことも特長です。


2016年11月には、民泊だけではなく「体験」の販売も始まり、ホストが自分のスキルをいかしたツアーやアクティビティを提供できるようになりました。今後は、さらに広い分野でシェアリングエコノミー(共有型経済のこと。モノ・情報・サービスなどの資源を交換したり共有したりすることで成立する経済の形態)が進んでいきそうです。


AirbnbもUberと同様に、シェアリングエコノミーを求める世界的なムードとデジタル技術をうまく組み合わせることで新しい市場を開拓することに成功しています。使用されている技術が最新のものではなく既存のものであることを考えると、今後、デジタルトランスフォーメーションに取り組むうえで、戦略やアイデアを最新技術に乗せた際の効果への期待値は大きいといえます。



デジタルトランスフォーメーションに必須の5つのIT要素

デジタルトランスフォーメーションを進めるうえでベースとなる5つのIT要素が、モバイル、クラウド、IoT、AI、ビッグデータです。それぞれ、デジタルトランスフォーメーションにおける活用のヒントと活用例を解説します。


モバイル

スマートフォン、タブレットなどのモバイル機器はSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)との親和性が高く、主にBtoCにおいて顧客と企業、商品・サービスとの「タッチポイント(接点)」作りに活用されます。


「顧客重視」の戦略がデジタルトランスフォーメーションの鍵であることを考えると、より良い顧客体験を創造するためにモバイルをいかに活用するかと考えると、取りかかりやすいかもしれません。


SNSのほか、AIチャットボット、カメラ機能、ワイヤレス充電といった技術と絡めると活用の幅が広がりそうです。


【例えば・・・】

モバイルネイティブと呼ばれる若い消費者をターゲットとするショップにおける購買プロセスにおいて、消費者がショップのインスタグラムにアクセスして商品を閲覧し、購入を検討している商品に関する疑問をLINEで店員とやりとりして解消。決済から支払確認、発送確認までをメッセンジャーアプリ上で済ませる。



クラウド(クラウドコンピューティング)

クラウドのメリットは、低コストでスピーディに導入でき、インターネット環境があればどこからでも容易にアプリケーションやデータにアクセスして利用できるという点です。低コストやスピードといった特長はそのまま競争力強化につながりますし、どこからでもシステムを利用できるという特長は、冒頭でお伝えしたもう一方の顧客である「従業員」にも、働き方改革の提供という面で貢献します。


【例えば・・・】

ファーストフードのドライブスルーなど騒音のある中で注文をとらなければならない環境で、音声認識や音声変換機能を提供するクラウドサービスを導入。店員が聞き返したり、お客様が言い直したりする時間がなくなり注文にかかる時間を短縮。迅速に商品を提供することで、機会損失を減らすとともに顧客満足度を向上させる。



IoT(Internet of Things/モノのインターネット)

最新のデジタル技術のなかでも、大きな可能性を秘めているのがIoTだといえます。IoTを導入するには、モノにつけるセンサーなどのICチップと、それらから集めたデータを収集・分析するシステムの両方が必要になります。前述したクラウドとの組み合わせで、IoTに必要なシステムをパッケージ化してクラウドで提供するといったサービスなども出ていますし、ICチップを何につけるか?どこにつけるか?といったソリューションから提供しているベンダーもいます。


【例えば・・・】

・スマート工場として製造ラインにIoTを導入し、製造ラインのデータを無線で収集してリアルタイムにオフィスへ送って製造状況を把握する。



AI(Artificial Intelligence/人工知能)

IoTと並び、デジタルトランスフォーメーションで用いられる技術の中核をなすといっても過言ではないのがAIです。AIに仕事を取られるといわれている職業があるほど、それだけ期待値が大きいともいえる技術です。すでに利用されているものにも、自動運転、医療現場や投資におけるアドバイスなど、幅広く高度な分野が目立ちます。


現在は、何か1つのタスクに特化したAIの実用化が進められていますが、将来的には人間のようにさまざまな状況を判断しながら思考する汎用型AIが誕生するといわれています。


【例えば・・・】

AIを搭載したチャットボットの導入により、お客様からのお問い合わせや社内向けヘルプデスクで、問い合わせの多いFAQに対して回答を提供することで、回答までに要する時間の短縮や回答内容の均一化など、業務効率化と品質向上を図る。



ビッグデータ

定義は、「一般的なデータ管理・処理ソフトウェアで扱うことが困難なほど巨大で複雑なデータの集合」とあいまいなものですが、ビジネスへの活用が期待され、2010年からメディアを中心によく見聞きされるようになった概念です。


日々、多くの来店客のあるコンビニエンスストアや百貨店、多くの旅客が利用する交通機関、あるいは金融業界や通信業界、ECなど、膨大なデータが生まれる業界との親和性が高く、収集したデータは、検索・共有・解析・可視化など、さまざまなかたちで利用できるよう加工する必要があります。さらに、セキュアに保管できる設備環境も必要です。


【例えば・・・】

・自動販売機にアイトラッキング(視線計測)を取り付けて集めた膨大なデータから、どの部分に視線が集まるかを割り出し、主力商品の配置を変えることで売上アップにつなげる。

・SNS上の投稿を数年単位でアーカイブ化し、トレンドを視覚化したりキーワード検索によるデータ抽出を行ったりして新サービスの開発などマーケティングに活用する。




デジタルトランスフォーメーションは、業界を問わず導入が進んでいく

プロサッカー選手の本田圭佑のマネジメント事務所であるHONDA ESTILO株式会社でも、デジタルトランスフォーメーションが導入されています。SAPが提供する「SAP Sports One」を導入し、トレーニングや試合中の選手のデータを集め、分析して練習メニュー改善やチームの戦略立案などに役立てているといいます。

本田氏はサッカースクールを人格育成の場ととらえ、子供たちを指導するコーチが高い人間性と指導力を併せ持つことが重要と考え、コーチの質の向上と維持のため新しい技術を積極的に活用しているそうです。

具体的には、SAP HANAというクラウド上に専用の分析アプリケーションを構築し、各選手の日々のトレーニング量、試合での走行量などのデータを収集・分析するというもの。一般的には、指導者のなかに蓄積された経験に基づく判断や根性論などで練習方針が決められることの多いサッカーの現場にデジタルツールが導入されることで、データ分析による客観的な現状把握が可能となり、この分析結果を練習メニューへフィードバックすれば、必要なスキルをより効率的に習得することが期待できます。HONDA ESTILOが目指す「自社のサッカー育成のプラットフォームを世界中に広げる」という目標を実現するためには、従来のような共有しづらく不正確さをはらんだ属人的ノウハウとの決別が必要だったのでしょう。

本田氏が自身の理念や目標の実現のためにデジタルトランスフォーメーションを活用している事例は、今後、業界・業態を問わず、幅広くデジタルトランスフォーメーションが取り入れられていく未来を示唆しているともいえるでしょう。




※記載されている会社名・商品名・サービス名等は、各社の商標または登録商標です。

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