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2020/10/30

日本におけるテレワークの未来

日本におけるテレワークの未来

政府が2005年にテレワーク推進フォーラムを立ち上げてから、15年。
新型コロナウイルス感染拡大を受け、日本でも一気にテレワークが加速しましたが、緊急事態宣言解除後、元の勤務スタイルに戻す動きが目立っています。

今回のようなパンデミック下や大規模災害下におけるBCP(業務継続計画)、交通機関の混雑緩和、従業員のライフワークバランスの最適化など、メリットの多いテレワークですが、従業員同士のコミュニケーションの取りづらさや業務管理など、課題がまったくないわけではありません。
日本のテレワークは今後、どのような道を歩んでいくのでしょうか?

その参考になるのが、テレワーク先進国である米国での流れです。
本コラムでは、米国を始めとする海外企業のテレワークの今昔を紐解き、日本におけるテレワークの未来を考えてみたいと思います。

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理由1:テレワークの意識がそもそも高い

テレワークの発祥はアメリカ

テレワークはもともと、1970年代に米国のロサンゼルスで交通渋滞や大気汚染を緩和するために導入されたのが始まりです。
その後、80年代に入りPCの普及や女性の社会進出が進んだこと、1994年のノースリッジ地震の発生とその後のBCP対応などが後押ししてテレワークの拡大が加速しました。

一方、現在テレワークが定着しているといわれる北欧では、寒冷地であり人口密度が低いといった事情からヨーロッパの中でもいち早くテレワークを導入しました。
80年代から90年代初頭にかけ、政府によるテレワーク推進が行われ、官民を問わずにテレワークが定着しているとみられます。

アメリカのナレッジワーカーの意見

現在は、新型コロナウイルス感染拡大の影響でテレワーク推奨傾向にある米国企業ですが、会社としては「オフィスへ出勤させたい」というのが本音のようです。これについては後述します。

一方、従業員からすれば、新型コロナウイルス禍の後もテレワークを継続し、ニューノーマルにしていきたいという希望が浮き彫りになりました。
テレワーク・リモートワークツール「roundz」の開発・運営を手がけるラウンズ株式会社のメディア「シゴトバ」によれば、2019年の調査結果で、米国のナレッジワーカー※の95%はリモートワークで働きたいと考えており、74%がリモートワークをするために仕事を辞めようとしていて、42%が自宅で仕事をする方が生産性が高いと考えているといいます。

ナレッジワーカーを対象とした限定的な調査ではありますが、現実的にリモートワークを可能とする職種の中心がナレッジワーカーであると考えると、リモートワークが当たり前で、リモートワークを希望する風潮が強い米国の様子がうかがえます。

(出典:【海外リモートワーク事情】リモートワークレポート:2030年までにオフィスはなくなる?【Zapier】

※ナレッジワーカー:知識を使って付加価値を提供する労働者のこと。金融ディーラー、ITエンジニア、コンサルタント、マーケターなどが代表例。

理由2:マネジメント、制度の問題

米国企業では、職務によって業務内容が細かく決まっており、中間管理職以下では評価そのものがないことが一般的です。

一方、日本では米国企業のように決まった業務内容をこなせば良いという職務は少なく、部署内のその時々の状況に合わせてメンバー間で柔軟に業務分担を調整しながら進めていくのが常です。
また、中間管理職以下の従業員の評価は上長が行い、これが報酬額査定の要素となります。
こうしたチーム内でのコミュニケーションや評価には、テレワークでは行いづらいという特性があります。

つまり、日本企業特有のマネジメント方法や制度が、日本におけるテレワーク推進を阻んでいる要因の一つだといえます。
逆に米国企業はテレワークと親和性の高いマネジメント・制度を持っているといえ、テレワーク浸透の大きな理由となっています。

テレワークは米国 では廃止?

前章でも触れた通り、順調にテレワークを浸透させ、2018年には85.0%という高い普及率をマークしていた米国※1ですが、2019年には7%※2と激減。大手IT企業を中心に、リモートワークを廃止してオフィス勤務を義務化する企業も出てきています。

2013年に米ヤフー社(当時)が、2017年には、米IBM社がそれぞれリモートワークの廃止を発表。Googleなどもオフィス環境を整えることに注力しており、特にリモートワークの推奨は行っていません。

廃止や非推奨の理由は、コミュニケーション不足による業務生産性の低下や勤怠管理の失敗とみられます。

※1「海外のテレワークの導入状況」厚生労働省より
※2「アメリカにおけるテレワーク(リモートワーク)の現状(2020年6月)」情報処理推進機構(IPA)より

まとめ

米国におけるテレワークの変遷をかいつまんでご紹介いたしました。
米国においては、「コミュニケーション不足」「勤怠管理」がネックとなり、最近ではテレワークは抑制されつつあるようです。

ただ、従業員側からのテレワークに対する希望は多く、新型コロナウイルス感染が収束するまでの当面の間は、企業が望まずともテレワークを延長せざるを得ない状況だといえるでしょう。

また、北欧においては官民を問わずテレワークが定着しており、日本におけるテレワークが必ずしも米国の後を追うとは言い切れません。
自社におけるテレワークの課題を見つめ、解消に向けて工夫できる点に取り組むという前向きな捉え方が必要なのではないでしょうか。

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