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仕入情報に在庫情報、販売情報、来店者情報など、小売業には、種類もさまざまで量も膨大なデータが日々、集まってきます。
こうしたデータをマーケティングや売り場づくりに活用しない手はありません。
とはいえ、これまで特にデータを収集してこなかったという企業様では、何から始めれば良いのか、そもそも、データ活用にどれほどの効果があるのかと疑問に思われるかもしれません。
本コラムでは、顧客データ分析の重要性や、顧客データの種類、顧客データ活用により期待できる効果などについてご紹介いたします。
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小売業におけるデータ分析の重要性と求められる要素
小売業の多くの企業が最終的に目標とするのは、売上や利益の向上でしょう。
そして、これを実現する過程で、集客方法や仕入れ、接客、キャンペーンやセールの企画など、さまざまな面において改善を図るはずです。
その際、顧客データ分析を行わずに改善策を練ると、根拠に基づかない思いつきの施策となり、失敗に陥りがちです。もし、うまくいったとしても、それは偶然の結果に過ぎないため、再現性がありません。
顧客に関連する施策を実施するなら、まずは実際に利用してくれている顧客のデータを収集・分析し、これに基づいた仮説を立てて計画を策定することが重要です。
そして、施策の実施中も顧客データを取得して、終了後にはデータを元に効果測定を行い、次の施策に向けてさらなる改善策を立てるというサイクルを回していきましょう。
顧客データ分析は、施策や改善策の立案時のみならず、日常的に行うことで「顧客理解」につながります。顧客の理解は、すべての業務において考え方のベースとなる重要な要素であり、特に日々、顧客と接する小売業においては必須といえます。
顧客データは、その特性から「定量データ」と「定性データ」の2種類に分けることができます。
定量データとは、数値で表現できるデータのことです。
たとえば、顧客属性(居住地・年齢・年収・同居人数など)、行動データ(店舗やECサイトへの訪問回数や滞在時間、購入金額など)、アンケート調査の項目のうち点数で評価できる設問の回答などが定量データに当たります。
定量データは数値で表せるため、誰が見ても同じ結果として捉えることができます。
また、主観が入りづらく、客観性の高い点もメリットです。
デメリットとしては、正確な分析のためには大量のデータが必要になる点、データの背景を把握しづらく、表層的な分析に始終しがちな点などが挙げられます。
定性データとは、数値では表現できない質的なデータのことです。
たとえば、SNSへの投稿や、アンケート調査における自由記述欄への回答などが定性データに当たります。
定性データは、分析結果から直接改善につなげられたり、追加で質問を行えば深堀りできる点がメリットです。
デメリットとしては、分析結果の解釈に主観が入りやすいため、複数人数で結果を共有したとしても同じ結論を導きにくいといった点があります。
定量データ、定性データそれぞれに特徴があり、分析から得られる情報が異なるため、どちらが優れているということはなく、両方を分析して補完することが大切です。
上記のような顧客データを小売業において活用することで、「キャンペーン・イベントの施策改善」「リピーターの増加」「商品開発の成功」といった効果が期待できます。
キャンペーンやイベントにはそれぞれ開催の目的があり、実施後には、その目的が達成できたのかどうかを測るために効果測定を行うはずです。
この時、顧客データを活用することで、より顧客の意向に沿った効果的な改善策につなげることができます。
キャンペーンやイベントの期間中とその前後での、来店客数(ECサイトへの訪問数)や購買単価などを比較分析することで、そのキャンペーンやイベントの最終的な成否を把握できます。
そして、次回のキャンペーンやイベント開催に向けて、内容や開催日時・期間の企画のほか、告知の内容・方法・媒体などを細かく検討・改善することで、よりキャンペーン・イベントへと改良できます。
キャンペーンやイベントのほか、マーケティングやセールスなどにおいて何らかの施策を実施した後のリピート率の推移を確認することで、その施策がリピーターの増加にどのように影響したかを測ることができます。
また、施策の実施に関わらず、リピート率が急激に増加・減少した地点で何があったのかを分析することで、リピート率の悪化を防いだり、リピート率を向上させるための改善策の立案につなげられます。
リピート購入を促す施策にかかるコストは、新規顧客獲得にかかるコストに比べて5分の1で済むといわれ、また、顧客全体のうちの2割が売上全体の8割を作るともいわれています。顧客データを分析してリピーターを増やし、特にお得意様への販促を行うことで、コストを抑えながら売上を上げ、利益を向上することができます。
顧客データの分析結果を活かせば、顧客の求めるニーズによりマッチした商品やサービスの開発につなげることができます。顧客の実態ともいえる顧客データに基づいた商品であれば、顧客に支持され、ベストセラー商品・ロングセラー商品へと成長する可能性が高まります。
商品開発というと一般的にはメーカーの取り組みですが、小売業であってもスーパーマーケットやコンビニエンスストアのように「プライベートブランド」を立ち上げるケースもあるでしょう。
プライベートブランドには、競合他社との差別化が行え、顧客に気に入ってもらえればリピーターの獲得やブランディングにもつながるといったメリットがあります。しかも、生産のコントロールを握りやすいためロスが少なく、売上・収益も安定しやすい側面を持ちます。
顧客データ分析を商品開発に活かせば、ヒット商品を誕生させられるかもしれません。
ここまで、顧客データ分析の重要性やメリットをご紹介してきました。まだ顧客データ分析に取り組んでいない流通業の企業様も、ぜひこの機会にスタートして顧客データ分析がもたらす効果を享受してはいかがでしょうか。
現代において「顧客データ分析」と聞くと、ビッグデータを用意し、AIなどの高度な技術を搭載したツールを用いた、ハイレベルな分析が浮かぶかもしれません。たしかに最終的には高度なデータ分析を行うことで、上で紹介したような現場レベルでの効果にとどまらず、経営戦略の立案や経営判断などの大局にも活用できるでしょう。
ただ、初めて顧客データ分析を行う際に意識したいのは、よりリアルタイムなデータの活用です。これを実現するには、導入する分析ツールの処理の速さがポイントになってきます。
また同時に、現場にも使いやすい分析システムであることが求められます。
そして、これらの条件を兼ね備えているのが「REAL MD BI」です。「REAL MD BI」は、オンライン処理によるデータの高速処理を強みとするデータ分析システムで、経営層は「本部/店舗別ダッシュボード」や「予算管理機能(KPIアラート)」で状況の変化をいち早く掴むことができ、店舗など現場側では設定を登録しておくことで誰でも簡単に分析が行える「カタログ機能」などを有しています。
「REAL MD BI」について詳しくは、REAL MD BIのサービスページをご覧ください。
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