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マスターデータ管理(MDM)とは、企業が保有するデータを一元管理し、その品質を保つためのシステムやプロセスのことです。
日本ではもちろん、世界において、データの一貫性と正確性がビジネスの効率化と競争力向上の鍵となっています。AIやBIツールを活用する上でも、データの信頼性を向上させておくことが重要です。このため、DX推進の高まりとともに、マスターデータ管理(MDM)が注目されるようになってきているのです。
本コラムでは、MDMの基本概念から、その実践における課題と解決策までをご紹介いたします。
マスターデータ管理(MDM)とは、企業が保有する重要なデータを一元管理することです。そのためのシステムを指すこともあります。
なお、マスターデータには、顧客情報、製品データ、従業員情報など、ビジネス運営に不可欠なデータが含まれます。
MDMの目的は、データの品質を保ち、整合性を維持することです。適切なMDMにより、企業は効率的な意思決定を行い、ビジネスプロセスを最適化することができるようになります。
現代のビジネスにおいて、正確で一貫性のあるデータは、企業が市場の変化に迅速に対応し、競争優位を築くための鍵となります。
特に、DX推進の過程で、基幹システムの刷新やAI、BIツールの導入を行う場合は、社内のさまざまな部門に散らばったデータを一ヵ所に集め、既存のデータをクレンジングして重複や矛盾を排除したり、データ形式を揃えたりといった準備が必要になってきます。
MDMを活用することで、こうした作業を効率化でき、信頼性の高いデータが得られます。これがひいては、顧客満足度を高めたり、業務効率を向上させたりすることにつながっていきます。
なお、同じ「MDM」という略称で「Mobile Deviece Management(モバイルデバイス管理)」を指すことがあります。こちらは業務で利用するスマートフォンやタブレット端末の管理を意味しますので、混同しないようご注意ください。
マスターデータ管理(MDM)は、企業の基幹業務を支える重要な要素の一つです。
しかし、多くの企業ではMDMに関連するさまざまな課題に直面しています。その課題は、データの品質、整合性、効率性など、多岐にわたります。
データ品質の低下は、不正確な意思決定や業務プロセスの効率低下を引き起こす主要な課題です。
入力ミスによる誤ったデータや、更新されないままの古いデータ、項目に欠けのある不完全なデータなどは、データ品質の低下を招きます。
異なる部門やシステム間でのデータの不一致は、業務の混乱を招きます。たとえば、顧客データなどでデータの整合性が取れていなければ、顧客対応がちぐはぐになるなどして、顧客満足度を低下させることにもつながりかねません。
また、マスターデータの整合性が保たれないと、企業全体でのデータ管理が複雑化し、業務効率も低下するでしょう。
マスターデータ管理のプロセスが効率的でない場合、データの更新やメンテナンスに多大な時間と労力が必要となります。これは、特に大規模なデータベースを持つ企業にとって大きな課題で、運用コストの上昇につながってしまいます。
企業内のデータのうち、たとえば、財務のマスターデータに不整合や重複があれば、会計処理や監査に誤りや遅延が生じる恐れがあります。
また、マスターデータの変更履歴や承認権限などの管理が不十分だと、不正や不適切な取引の発生や隠ぺいのリスクが高まります。
このように、MDMが不適切だと、内部統制が低下する可能性があります。内部統制の不備は、データのセキュリティリスクを高めたり、規制違反を生じさせたりして、データの不正使用や漏えいなどのリスクが増大します。
これらの課題に対して効果的な解決策を提供できるのが、アイネスが提供するMDMシステムです。
アイネスのMDMシステムは、SAPマスタメンテナンスツール「Aerps MASTER Ace」をベースにしたシステムで、特にSAP ERPおよびSAP S/4HANAのマスターデータ・メンテナンスを効率化することを目的としています。
マスター管理やメンテナンス業務システムを30年来提供してきたアイネスのマスター管理のノウハウを詰め込んだMDMです。
一般的に、MDM導入プロジェクトは大規模で長期にわたり、高額になることが多いですが、アイネスのMDMシステムなら段階的に導入できるため、スモールスタートが可能です。
アイネスのMDMシステムには、主に次の3つの特長があります。
アイネスのMDMシステムはSAPマスタメンテナンスツールをベースにしているためSAP ERPおよびSAP S/4HANAを基幹システムとしてSAP以外のサブシステムを使用しているユーザーに最適です。SAP以外のサブシステムとのマスタデータ連携を配信、集信含めサポートしております。
アイネスのMDMシステムは、優れたインターフェースデザインにより、以下の項目を実現することで、効率的なマスターデータ・メンテナンスを可能にしています。
アイネスのMDMシステムは、個社ごとに特有のビジネスロジックに合わせて、マスター内およびマスター間の整合性を確保します。
具体的には、システム的観点からだけでなく、業務運用ルールに則ったチェックを関連マスター全体で実施します。
また、整合性・完全性が保証されたマスターのみSAP ERPに反映することで、マスターの登録ミスによる問題の発生を低減します。
アイネスのMDMシステムを導入する主なメリットは、次の3点です。
アイネスのMDMシステムは、データの品質を向上させるための機能を備えています。
具体的には、以下の機能により、入力値の単体チェックや関連データ間の整合性チェックを通じて、データの正確性と信頼性を高めます。
これにより、企業の意思決定の精度が向上し、業務プロセスがスムーズになります。
企業はより正確な意思決定を行うことができるようになるでしょう。
アイネスのMDMシステムは、画面の集約や視認性の向上、入力値の自動提案などにより、メンテナンス作業の時間を短縮します。これにより、運用コストの低減に貢献します。
具体的には、以下の機能により、運用コストを低減できます。
アイネスのMDMシステムは、職務分掌に基づく入力表示制御や、ワークフロー制御、監査ログ出力機能など、内部統制に必要な機能を備えています。
具体的には、以下の機能により、内部統制の強化を実現できます。
内部統制機能を強化し、データのセキュリティとコンプライアンスを確保することで、データの不正使用や漏洩のリスクを大幅に低減します。
マスターデータ管理(MDM)は、企業の基幹業務を支える重要な要素であり、特にDXに取り組む企業が増えるに従って、課題にもクローズアップされるようになってきました。
たとえば、データ品質やデータ整合性、管理の効率性の低下といった課題があります。
これらの課題解決のために、マスターデータ管理(MDM)は、企業のデータ品質と整合性を保つために不可欠だといえます。
アイネスのMDMシステムは、これらの課題に対して効果的な解決策を提供し、データ品質の向上、整合性の確保、効率的なデータ管理、強固な内部統制の実現を支援します。
大日精化工業株式会社様 導入事例
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SAPマスタメンテナンスツール「Aerps MASTER Ace ver.1.0」について詳しくは、下記リンクより詳細ページをご覧ください。
Aerps MASTER Ace ver.1.0(SAP ERP、SAP S/4HANA マスタメンテナンスツール)
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