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生成AIの自治体導入ガイド|活用事例からメリット・課題まで解説

生成AIの自治体導入ガイド|活用事例からメリット・課題まで解説

地方自治体における生成AIの導入・活用が全国的に加速しています。
深刻化する人手不足や複雑化する住民ニーズへの対応策として期待される一方、その導入には明確なガイドラインの策定やセキュリティといった課題も存在します。
この記事では、生成AIを導入するメリットから具体的な活用事例、導入に伴う課題とその対策までを網羅的に解説します。

1.なぜ今、自治体で生成AIの活用が求められるのか?

多くの地方自治体では、少子高齢化に伴う労働人口の減少や職員の業務負担増大が深刻な問題となっています。
また、住民ニーズは多様化・複雑化しており、従来の手法だけでは質の高い行政サービスを維持することが困難になりつつあります。
このような背景から、生成AIの活用による業務の自動化・効率化は、職員がコア業務に集中できる環境を整え、持続可能な行政運営を実現するための重要な手段として期待されています。

2.自治体における生成AIの導入状況

自治体による生成AIの導入は実証実験から本格運用のフェーズへ移行しています。総務省の調査では、都道府県や政令指定都市の導入率は100%に達し、市区町村においても、人口規模を問わず広範な導入や検討が進んでいます。
これまで主流だった議事録作成や文書要約に加え、相談記録の自動作成など、より専門性の高い窓口業務への適用が本格化。神奈川県横須賀市や新潟県長岡市といった先行自治体での顕著な成果をモデルケースとして、全国の自治体が「AI相談パートナー」などの専用ツールを導入し、業務効率化と住民サービス向上を両立させる動きが加速しています。

3.生成AIで自治体の業務はこう変わる!4つの導入メリット

生成AIで自治体の業務はこう変わる!4つの導入メリット

生成AIの導入は、自治体の業務に多岐にわたるメリットをもたらします。
定型業務の自動化によるコア業務への集中、住民向けサービスの品質向上、職員のスキルアップ支援、そしてデータに基づく政策立案の実現が主な効果として挙げられます。
これらのメリットを最大限に引き出すことで、より効率的で質の高い行政サービスの提供が可能になります。

職員の定型業務を自動化しコア業務へ集中

生成AIは、議事録の作成、文書の要約、定型的な問い合わせへの回答案作成といった事務作業を自動化します。
これまでこれらの業務に費やされていた時間が大幅に削減されることで、職員は本来注力すべき企画立案、政策検討、住民との対話といった、より創造的で付加価値の高いコア業務に集中できるようになります。
この業務シフトが、行政サービス全体の質向上というメリットにつながります。

住民向けサービスの品質と利便性を向上

生成AIを活用したチャットボットを自治体のウェブサイトに導入することで、住民は24時間365日、いつでも必要な情報を得られます。
休日や夜間でも、ゴミの分別方法や各種手続きに関する質問に自動で回答できるため、住民の利便性は格段に向上します。
また、AIが基本的な問い合わせに対応することで、職員はより複雑で専門的な相談に時間を割けるようになり、住民向けサービスの全体的な品質向上という効果も期待できます。

専門知識の補完で職員のスキルアップを支援

法改正の内容や複雑な条例に関する問い合わせに対して、生成AIは関連情報を迅速に提示し、回答の草案を作成できます。
これにより、経験の浅い職員でも一定水準の回答を迅速に行えるようになり、業務品質の平準化が図れます。
また、AIが提示する専門知識や過去の事例を参照する過程は、職員にとって効果的な実務研修となり、全体のスキルアップというメリットをもたらします。

データに基づいた精度の高い政策立案を実現

自治体には、住民からの意見や各種統計データなど、膨大な情報が蓄積されています。
生成AIの活用により、これらのデータを分析し、地域が抱える課題や住民のニーズを客観的に可視化することが可能になります。
勘や経験だけに頼るのではなく、データという明確な根拠に基づいた政策立案が実現できるため、より効果的で住民満足度の高い施策を展開できるというメリットがあります。

4.自治体の業務別|生成AIの具体的な活用シーンと事例

地方自治体のさまざまな業務において、生成AIの活用が進んでいます。
議事録作成のような内部の事務作業から、住民からの問い合わせ対応、広報活動まで、その活用例は多岐にわたります。
具体的な活用シーンと事例を理解することで、自らの自治体でどのように応用できるかのヒントを得られます。

議事録・文書作成業務での活用

会議や審議会の音声をAIでテキスト化し、その内容を要約させることで、議事録作成の時間を大幅に短縮する活用が進んでいます。
要点や決定事項を自動で抽出できるため、職員は煩雑な文字起こし作業から解放されます。
この活用例のほかにも、答弁書やプレスリリース、内部向けの通知文などの草案作成にも応用されており、文書作成業務全体の効率化に貢献しています。

住民からの問い合わせ対応業務での活用

住民からの電話や窓口での問い合わせ対応において、生成AIは強力な支援ツールとなります。
よくある質問に対しては、AIが過去の回答事例やマニュアルを基に回答案を即座に生成し、職員の応答をサポートします。
この活用例により、回答の迅速化と標準化が図れます。
さらに、AIチャットボットを導入すれば、24時間体制での自動応答サービスが可能となり、住民の利便性向上に直結します。

申請受付や審査の支援業務での活用

各種補助金や許認可の申請業務において、提出された書類の不備をAIが自動でチェックする活用が進められています。
記載漏れや必須書類の欠落などをAIが指摘することで、手戻りを減らし、審査プロセス全体の迅速化を図ります。
また、過去の膨大な審査事例をAIに学習させ、判断に迷うケースで参考となる情報を提示させるなど、審査の公平性・一貫性を担保するための活用例も検討されています。

広報文案やSNS投稿の作成業務での活用

自治体の広報活動において、イベントの告知文や注意喚起のメッセージ、SNSへの投稿文案などを生成AIが作成する活用が進んでいます。
ターゲット層(例:若者向け、高齢者向け)を指定するだけで、語調や表現を最適化した複数の文案を瞬時に作成できます。
この活用例により、広報担当者はより戦略的な情報発信に時間を割けるようになり、効果的なシティプロモーションが期待できます。

5.相談業務のDXを支援する「AI相談パートナー」

相談業務のDXを支援する「AI相談パートナー」

「AI相談パートナー」は、自治体の住民相談業務に特化したAI活用サービスです。
音声認識技術で相談内容をリアルタイムにテキスト化し、生成AIがその内容を要約して記録票の作成を支援します。

さらに、会話の内容に応じて必要な確認事項や関連制度を画面に表示するガイダンス機能も搭載しており、相談員の業務負担軽減と相談品質の向上を同時に実現するトータルサービスです。

6.自治体が生成AIを導入する際の3つの重要課題

自治体が生成AIを導入する際の3つの重要課題

地方自治体が生成AIを導入する過程では、メリットだけでなく、対処すべき重要な課題も存在します。
特に、AIが誤った情報を生成するリスク、個人情報などの漏洩につながるセキュリティ上の懸念、そして職員間のITリテラシー格差という3つの課題は、導入計画の初期段階から十分に検討する必要があります。

ハルシネーション(虚偽情報の生成)によるリスク

生成AIは、学習データにない情報や事実と異なる内容を、もっともらしく生成してしまう「ハルシネーション」という課題を抱えています。
AIが生成した誤った情報を、職員が確認しないまま住民への回答や公式文書に使用してしまうと、行政への信頼を著しく損なう事態になりかねません。
そのため、AIの生成物はあくまで「下書き」や「参考情報」として位置づけ、最終的な確認は人間が行う体制の構築が不可欠です。

個人情報や機密情報の漏洩といったセキュリティ懸念

一般的な生成AIサービスに、住民の個人情報や庁内の機密情報を入力すると、そのデータが外部のサーバーに送信され、AIの再学習に利用される可能性があります。
これは重大な情報漏洩インシデントにつながる深刻な課題です。

自治体で生成AIを利用する際は、入力した情報が学習に利用されず、通信が暗号化されるなど、セキュリティが担保された専用のサービスを選定することが極めて重要です。

AIを使いこなすための職員のITリテラシー格差

生成AIを効果的に活用するには、適切な指示(プロンプト)を与える能力や、生成された情報の真偽を判断する能力が求められます。
しかし、職員全員が同等のITリテラシーを持っているわけではなく、スキルに格差があるのが実情です。
一部の職員しかAIを使いこなせない状況では、組織全体の業務効率化にはつながりません。

全庁的な研修の実施や、分かりやすいマニュアルの整備といった課題への対応が必要です。

7.課題を解決!安全な生成AI導入・運用のための対策ポイント

生成AIの導入に伴う課題を克服し、安全に運用するためには、事前の対策が不可欠です。
利用ルールの明確化、セキュリティ要件を満たすツールの選定、そして職員によるファクトチェックの徹底という3つのポイントを押さえることで、リスクを管理しながら生成AIのメリットを最大限に引き出すことが可能になります。
これらは、信頼性の高い行政サービスを維持するための基盤となります。

ガイドラインを策定し明確な利用ルールを定める

生成AIを安全に利用するためには、組織としての統一されたルールを定めることが最も重要です。
総務省が公表しているガイドラインなどを参考に、「個人情報や機密情報の入力禁止」「生成された情報のファクトチェック義務化」「著作権を侵害しないための注意点」といった項目を盛り込んだ独自の利用ガイドラインを策定し、全職員に周知徹底する必要があります。

LGWAN対応などセキュリティが担保されたツールを選ぶ

情報漏洩リスクを避けるため、導入するツールの選定は慎重に行うべきです。
地方公共団体向けの閉域網であるLGWAN(総合行政ネットワーク)環境内で利用できるサービスや、入力した情報をAIの学習データとして利用しないと契約で保証されているサービスを選ぶことが必須条件です。
セキュリティが確保された環境を整えることで、職員は安心して業務にAIを活用できます。

生成された情報は必ず職員がファクトチェックを行う

ハルシネーション(虚偽情報の生成)のリスクに対応するため、AIが生成した情報は必ず人間の目で確認する運用フローを徹底します。
生成された文章やデータはあくまで「下書き」と位置づけ、内容の正確性、事実との整合性、表現の適切さなどを職員が責任を持ってチェックします。
このファクトチェックのプロセスをガイドラインに明記し、全庁的なルールとして定着させることが重要です。

8.4ステップで進める!自治体への生成AI導入手順

4ステップで進める!自治体への生成AI導入手順

地方自治体への生成AI導入を成功させるには、計画的なアプローチが不可欠です。
まず目的を明確にし、適切なツールを選定、その後スモールスタートで実証実験を行い、効果を検証してから本格展開へと進める4つのステップを踏むことで、失敗のリスクを最小限に抑え、着実な成果へとつなげることができます。

ステップ1:活用する業務と目的を明確化する

最初のステップは、生成AIを導入して「どの業務」の「どのような課題」を解決したいのかを具体的に定義することです。
例えば、「会議の議事録作成にかかる時間を50%削減する」「問い合わせ対応の一次回答時間を短縮する」など、定量的・定性的な目標を設定します。

目的を明確にすることで、後のツール選定や効果測定の基準が定まり、導入プロジェクトが円滑に進行します。

ステップ2:セキュリティ要件を満たすツールを選定する

次に、ステップ1で明確化した目的を達成でき、かつ自治体特有のセキュリティ要件を満たすツールを選定します。
LGWAN環境で利用可能か、入力データが外部で学習に利用されないか、個人情報保護に関する規定は十分か、といった観点で複数のサービスを比較検討します。

機能面だけでなく、セキュリティとコンプライアンスを最優先に考えることが、導入の成功を左右します。

ステップ3:一部の部署で小規模な実証実験(PoC)を行う

いきなり全庁で本格導入するのではなく、まずは特定の部署や業務に限定して試験的に導入する実証実験(PoC)を行います。
これにより、実際の業務フローの中で生成AIがどの程度の効果を発揮するのか、現場の職員がどのような点に戸惑うのかといった具体的な課題を洗い出せます。

小さな規模で試すことで、リスクを抑えながら導入効果や運用上の問題点を把握できます。

ステップ4:効果を検証し本格導入と全庁展開へ

実証実験の結果を基に、導入効果を客観的に評価します。
業務時間の削減率やコスト削減額、職員や住民の満足度などを測定し、本格導入に見合う効果が得られたかを確認します。
効果が確認できれば、実証実験で見つかった課題への対策を盛り込んだ上で、本格導入の計画を策定し、他部署への横展開を進めていきます。

9.生成AIの導入で業務効率化を実現した自治体の成功事例

全国の地方自治体で生成AIの導入が進み、具体的な成功事例が報告されています。
これらの先進自治体の取り組みは、業務効率化や住民サービスの向上といった明確な効果を示しており、これから導入を検討する自治体にとって貴重な指針となります。
神奈川県横須賀市、新潟県長岡市、千葉県千葉市の事例から、その効果を見ていきましょう。

【神奈川県横須賀市】記録票作成時間を60%削減し福祉相談の質を向上

【神奈川県横須賀市】記録票作成時間を60%削減し福祉相談の質を向上

神奈川県横須賀市は、福祉相談の窓口業務にAI活用サービス「AI相談パートナー」を導入しました。
この導入により、相談内容の音声データからAIが自動で記録票の草案を作成するため、従来手作業で行っていた記録票作成時間が約60%削減されるという大きな効果を上げています。

創出された時間で、職員が相談者と向き合う時間を十分に確保できるようになり、より丁寧で質の高い福祉サービスの提供につながっています。

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【新潟県長岡市】要約機能で記録作成時間を最大9割削減し訪問時間を確保

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新潟県長岡市では、保健師の心身の健康に関する相談業務に「AI相談パートナー」を導入し、特に生成AIによる要約機能を活用しています。
電話相談の内容をAIが項目ごとに整理して要約するため、記録票作成にかかる時間が従来の6割から最大9割削減されました。

この効果により、事務作業の負担が大幅に軽減され、保健師が家庭訪問といった、住民と直接対話する重要な活動に多くの時間を充てられるようになっています。

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【千葉県千葉市】相談記録の即時共有で市民に寄り添う支援を実現

【千葉県千葉市】相談記録の即時共有で市民に寄り添う支援を実現

千葉県千葉市の「福祉まるごとサポートセンター」では、増加する相談件数への対応と情報共有の遅れが課題でした。
そこで「AI相談パートナー」を導入した結果、相談内容がリアルタイムでテキスト化・要約され、即座に職員間で共有できるようになりました。
この効果により、担当者不在時でも他の職員がスムーズに対応を引き継げる体制が構築され、支援の質を維持しながら、市民一人ひとりに寄り添った迅速な支援が実現しています。

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10.生成AIの自治体導入に関するよくある質問

地方自治体における生成AIの導入検討にあたり、多くの担当者が共通の疑問を抱えています。
ここでは、ガイドラインの入手方法、ChatGPTの利用に関する注意点、そして効率化が期待できる具体的な業務について、よくある質問とその回答をまとめました。

Q1. 自治体で生成AIを利用する際のガイドラインはどこで入手できますか?

総務省が公表している「地方公共団体におけるAI活用・導入ガイドブック」が公式な指針として参考になります。
総務省のウェブサイトから入手可能です。
また、先行して導入している他の自治体が公開しているガイドラインも、より実務に即したルール作りの上で非常に役立ちます。

Q2. 自治体の業務でChatGPTをそのまま使っても問題ないですか?

個人情報や機密情報の漏洩リスクがあるため、業務での直接利用は推奨されません。
入力した情報が外部に送信されたり、AIの学習に利用されたりする可能性があるためです。
地方自治体で利用する場合は、LGWANに対応するなど、セキュリティが確保された専用サービスを選ぶことが重要です。

Q3. 生成AIはどのような業務の効率化に役立ちますか?

議事録の作成、文書の要約、問い合わせへの回答案作成、広報文案の作成といった定型的な事務作業の効率化に特に効果を発揮します。
これらの活用例により、職員は企画立案や住民との対話など、より専門性が求められる創造的な業務に多くの時間を割けるようになります。

11.AI相談パートナーが自治体に選ばれる3つの理由

多くの自治体で導入が進む「AI相談パートナー」には、選ばれる明確な理由があります。
行政機関に必須の高度なセキュリティ、スムーズな導入を可能にするスピードとサポート体制、そしてコストを抑えて始められる共同利用の仕組みが、その主な特長です。
これらのサービスが、自治体の相談業務DXを強力に後押しします。

LGWAN対応で機微情報も扱える万全のセキュリティ

「AI相談パートナー」は、地方公共団体専用の閉域ネットワークであるLGWANに対応したLGWAN-ASPサービスです。
そのため、住民の個人情報といった機微情報を扱う福祉や保健分野の相談業務においても、外部への情報漏洩を心配することなく安全に利用できます。
この高いセキュリティが、行政機関での導入における大きなメリットとなっています。

導入から運用まで最短3ヶ月のスピード感と手厚いサポート

「AI相談パートナー」は、導入決定から運用開始まで最短3ヶ月という迅速な導入が可能です。
専門スタッフが端末の設定から職員への操作説明、運用開始後のフォローアップまで一貫してサポートするため、ITに不慣れな職員でもスムーズに利用を開始できます。
この手厚いサポート体制が、導入後の定着と活用促進というメリットにつながります。

複数団体での共同利用により低コストでの導入が可能

「AI相談パートナー」は、複数の自治体が共同でサービスを利用する仕組みを採用しています。
これにより、各自治体は単独でシステムを構築する場合に比べて大幅にコストを抑えた導入が可能です。
予算が限られる中でもスモールスタートで導入し、効果を実感しながら活用を広げていける点が、多くの自治体にとって大きなメリットとなっています。

12.まとめ

地方自治体における生成AIの導入は、業務効率化や住民サービスの質的向上を実現するための強力な手段です。
成功の鍵は、明確な目的を持って導入を進め、具体的な活用事例を参考にしながら、ガイドラインに基づいた安全な運用を徹底することにあります。

ハルシネーションやセキュリティといった課題を正しく理解し、適切な対策を講じながらスモールスタートで活用を進めていくことが、着実な成果につながります。

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