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「自治体DXを進めたいけれど、三層分離のせいでクラウドサービスやテレワークが導入しづらい……」そんな課題を抱えていませんか?
ガバメントクラウドの本格展開により、自治体セキュリティは「ネットワークを守る」から「利用者・認証を守る」時代へとパラダイムシフトを迎えています。そこで総務省が提示した新方針が「βモデル」であり、その核となるのが「ゼロトラスト」の概念です。
本記事を読めば、これからの自治体ネットワークがどう変わるのか、そして現場が今すべき具体的なアクションが明確になります。後半では、パソコン1台でのセキュアな業務環境を実現し、構築期間とコストを大幅に削減した自治体様のリアルな導入事例もご紹介します。
目次
10.まとめ
まずは、現在の自治体ネットワークの基盤となっている「三層分離(三層の対策)」について、その歴史的背景と果たしてきた役割をおさらいします。
三層分離は、2015(平成27)年頃に発生した大規模な情報漏えい事件を契機として、総務省が自治体情報セキュリティ強化策として推進したネットワーク構成です。
当時の目的は、「住民情報をインターネットから完全に隔離する」ことでした。自治体では住民情報や税情報、福祉情報など機密性の高いデータを扱うため、極めて高いセキュリティ対策が必要とされたのです。
具体的には、自治体のネットワークを役割に応じて以下の3つの層(セグメント)に分離しました。
この強固な構成によって、外部からのサイバー攻撃リスクは大きく低減されることとなりました。
導入から約10年間、多くの自治体でこの三層分離は以下のような絶大な効果を発揮してきました。
インターネットの脅威から自治体を守り抜いた三層分離ですが、時代の変化に伴い、運用の「重さ」や「非効率性」に起因する様々な課題が見えてきました。
三層分離の見直しを決定づけた最大のパラダイムシフトが、ガバメントクラウドの本格展開です。
従来は「庁内にあるサーバーをどう守るか」という境界型の考え方が中心でした。しかし現在は、「クラウド上のサービスを安全に利用する」ことへと、セキュリティの前提そのものが変わっています。
つまり、セキュリティのあり方は「ネットワークを守る時代」から、「利用者を守る時代」へと完全に移行しているのです。
総務省が提示するβモデルの基本思想とは、主要な業務システムをインターネット側に配置し、場所ではなく強固な認証とアクセス制御によって安全性を確保するネットワーク構成のことです。 従来の考え方では「LGWAN=安全、インターネット=危険」とされていましたが、βモデルでは「どこからアクセスしても、本人確認(認証)を必ず毎回行う」というアプローチへ進化します。
βモデルのネットワーク環境を実現する上で、最も重要になるのがゼロトラスト(Zero Trust)の概念です。
ゼロトラストとは、単に「何も信用しない」というネガティブな意味ではありません。正確には、「ネットワークの場所を信用せず、アクセスのたびに毎回認証する」という徹底した安全管理の考え方です。
自治体のゼロトラスト環境では、以下のような高度なソリューションを組み合わせて安全性を極限まで高めます。
結論から言えば、三層分離が完全になくなるわけではありません。
住民情報を守るという自治体の最も重要な目的は、今後も変わることはありません。変わるのは、その情報を「守る方法」です。
これまでの物理的なネットワーク分離から、今後は認証やID管理を中心とした、より高度で論理的なセキュリティ(ゼロトラスト)へと進化を遂げていきます。
ゼロトラストやβモデルへの移行は、一度にすべてを進められるものではありません。自治体の現場においては、次のような段階的な取り組みが極めて現実的かつ効果的です。
Q1. 三層分離はなくなりますか?
いいえ、なくなりません。住民情報を守るという根本的な考え方は残りますが、ガバメントクラウドやSaaSを活用する時代に合わせて、運用の方法が物理的な分離から論理的な認証へと変わります。
Q2. βモデルとは何ですか?
ゼロトラストを前提とした、新しい自治体ネットワークモデルです。主要な業務システムをインターネット側に配置し、強固な認証によってどこからでも安全に、かつ効率的に業務を行えるようにする仕組みです。
Q3. ゼロトラストとは?
ネットワークの場所(内か外か)ではなく、利用者・端末・アクセス状況を「毎回確認」して安全性を確保するセキュリティの考え方です。
三層分離は、これまで自治体の情報セキュリティを支えてきた非常に重要な仕組みです。しかし、自治体DXやガバメントクラウドの普及が進む現在、従来の「ネットワークを物理的に分離して守る」というアプローチだけでは、多様化する業務や利便性への対応が難しくなっています。
これからの自治体セキュリティは、βモデルやゼロトラストを活用し、「人・端末・認証」を中心とした新しいセキュリティ体制へ移行することが重要です。
自治体ごとに置かれている状況や予算、既存システムのライフサイクルは異なりますが、まずは現在の業務フローを丁寧に整理し、クラウド化できる業務から段階的に見直していくことが、真の自治体DX推進への確実な第一歩となります。
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