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【2023年小売業界トレンド】変化する情報をリアルタイムに把握して

【2023年小売業界トレンド】変化する情報をリアルタイムに把握して

「21世紀の石油」とも呼ばれるデータは、その重要性があらゆる業種・分野で叫ばれており、もはや活用することが不可欠になっているといっても過言ではありません。

特に、小売業においては販売データや在庫データ、顧客行動データなど、情報が時々刻々と目まぐるしく変化します。
このため、利用できるデータのリアルタイム性が重要です。

本コラムでは、小売業においてデータをリアルタイムに把握することで得られる具体的なメリットや、そのために活用できる具体的な製品についてご紹介いたします。

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小売業がデータをリアルタイムに把握できないデメリット

まずは、小売業がデータを活用する上で、リアルタイムに把握できなかった場合に、どのようなデメリットがあるのかを確認しておきましょう。

売上・仕入・在庫などの日次締め処理が、翌日の開店に間に合わない

店舗の営業時間が終了してから、その日の売上や仕入、在庫などのデータを、本社のデータベースやシステムに格納するために、夜間にバッチ処理を行っている小売業様は少なくありません。

しかし、バッチ処理には時間がかかり、8時間以上かかってしまうケースも。
翌日の開店までにバッチ処理が終わらないとお悩みの方もいらっしゃるのではないでしょうか?

リアルタイムに処理できれば良いのですが、データ量が多く、システムのキャパシティーを超えてしまうため、システムダウンを防ぐためにはバッチ処理を行うしかないという事情があります。

発注の精度を向上できない

商品カテゴリーや棚別などの売上を把握することで、売上データを発注の精度向上に活用しようと考える小売業様は多いでしょう。

重点販売商品や売れ筋商品などの売上を伸ばすには、区分けごとの売上をできるだけ素早く把握することが重要になってきます。

しかし、前項でお伝えように、日次のバッチ処理でデータを収集していては、リアルタイムの売上把握はできず、発注の精度も向上できません。

商品の改廃や棚割の変更などの改善が素早く行えない

素早い売上把握が行えれば、売れ筋商品がより売れるような棚割りを行い、死に筋商品は棚から排除するといった対応が可能になります。そのデータのリアルタイム性が高ければ、より廃棄を減らしたり、利益を向上したりすることが可能です。

しかし、売上データをリアルタイムに把握できなければ、商品の改廃や棚割の変更などの改善が素早く行えず、販売機会のロスや、無駄な商品の発注につながってしまいます。

ロス率が把握できなかったり棚卸漏れが起こったりする

仕入ミスによる値下げロスを始め、レジや棚卸のミスによるロス、食品の廃棄ロスなど、ロス高の売上高に対する比率である「ロス率」。これを把握し、できるだけ低く抑えることは、利益率向上のために重要です。

しかし、各店舗の棚卸状況を本部にタイムリーに共有できなければ、本部側で管理が行えず、棚卸漏れが起こったり、ロス率を把握できなかったりなどの不都合が起きてしまいます。

POSデータのタイムリーな把握ができない

POSデータも、仕入・在庫などとともに、日次で本部のデータベースやシステムと連携を行っている小売業様が少なくありません。このため、連携されたデータはタイムリーなものではなく、1日近いタイムラグが発生したものとなります。

そもそも、POSレジの最大のメリットは、顧客行動や販売データをリアルタイムに取得できる点であるのに、その共有範囲が店舗内だけではデータの活用も限定されてしまいます。

小売業でリアルタイム情報を活用するメリット

小売業でリアルタイム情報を活用するメリットは、上記の裏返しとなり、大きく以下の3点です。

来店予測が可能になる

来店客数に大きな影響を与える要素は曜日や天候、気温、イベントなどだといわれています。
予測したい日について、上記のような要素を条件設定した上で、過去データに重回帰分析などを施し、同条件の来店客数を導き出すことで来店予測が可能になります。

より多くのデータに基づいて分析することで誤差が減り、精度の高い来店予測が可能になるため、過去データは1日分でも多い方がベターです。

リアルタイムなデータを活用できることで、より精度の高い来店予測が可能になります。

需要予測が可能になる

POSデータから得られる来店者数や売上、商品ごとの販売数などの過去データを基に、AIなどを活用して分析を行うことで、需要を予測することも可能です。

より精度の高い需要予測を行うためには、POSデータから得られた情報を素早く収集して分析に反映させる必要があります。POSの強みを活かすためにも、データのリアルタイム性は重要です。

精度の高い需要予測が可能になれば、販売ロスや在庫過多の抑制にもつながります。

在庫の適正化が可能になる

棚ごとの売上や支持率、棚卸実績、在庫データなどの把握がリアルタイムにできることで、在庫の適正化も可能になります。

これにより、ロスを減らせるほか、商品の改廃や棚割の変更といった売場の改善にもつなげることができるようになり、利益の向上に結び付きます。

小売業におけるリアルタイム情報の活用事例

ここで、リアルタイム情報を活用することで実際に上記のようなメリットを得られた小売業の事例を2点、ご紹介いたします。

発注締め処理の高速化で、店舗発注の締め処理時間の融通がきくように

店舗業務において、発注作業の主となる時間帯は午前中からとなるところが多いでしょう。
ただ、午前中は開店前の品出し業務とも重なります。さらに、午前のうちに開店する店舗では営業時間中の接客などの業務も重なります。このため、発注作業時間は限られているところがほとんどだと思います。

小売業A社では、旧システム利用時、発注の締め処理に1時間ほどの時間がかかることから、取引先が発注データを受信し、出荷する時間から締め処理時間を踏まえて、発注入力作業を逆算して早目に行う必要がありました。

これを、発注締め処理が1分程度の高速で処理できるシステムへリプレースしたところ、店舗側では発注作業時間を後ろ倒しする変更が可能になりました。発注作業から発注締めまでのタイムラグがなくなったことで、在庫の確認なども含めた発注を行うことにより、発注精度が向上しました。
また、本部側で重点商品などの店舗発注状況をタイムリーに確認できるようになったことで、発注漏れ防止につながった。

さらに、発注作業時間の自由度が上がったことから、社内の部門の発注締め時間や、仕入先の締め時間を制御できるようになりました。仕入先の出荷可能時間内で、発注作業担当者のシフト変更や業務スケジュールの見直しも可能になりました。シフト計画の際に作業と必要な人員を意識できるようになったことで、コスト削減にもつながりました。

分類変更による過去時点分類・現時点分類での分析が可能

小売業B社では、ある年を境に、商品の分類を変更しました。
商品群ごとに売上分析などを行う際、通常のシステムでは

さらには、商品分類を変更しても、現時点の分類で分析ができるようになり、

情報をリアルタイムで更新するには、データ処理の素早いシステムが必要

上記のようなデータのリアルタイム性を実現するためには、データ処理を素早く行えるシステムが必要です。
たとえば、小売業向けDX時代の基幹MDシステム「REAL MD(リアルエムディー)」などがあります。

REAL MD」は、脱バッチ処理を実現した次世代型基幹システムであるため、これまでバッチ処理で行っていた業務を、オンラインでスピーディに処理することが可能です。

レシート明細といった、流通小売業において日々刻々と発生する膨大な生データを、リアルタイムに蓄積・評価することで、さまざまな業務支援につながります。たとえば、各店舗の発注情報はリアルタイムで本部スタッフが確認でき、店舗の発注業務の支援が行えます。

まとめ

小売業においてデータ活用を行うことで、来店予測や需要予測、在庫の適正化などが可能になりますが、より精度の高い予測を行うためには、データのリアルタイム性が重要です。

そこまで本格的な分析・予測を行わない場合でも、「売上・仕入・在庫などの日次締め処理を翌日の開店に間に合わせる」「ロス率をタイムリーに把握して、棚卸漏れを防ぐ」といった細かなメリットも見逃せません。

このようなデータ活用を実現するには、データのリアルタイム性が重要です。 アイネスがご提供する「REAL MD」なら、オンラインによる高速データ処理により、バッチ処理からの脱却が可能です。

【関連サービス】 小売業向けDX時代の基幹MDシステム REAL MD Series

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